神戸大学経済学部・大学院経済学研究科は、明治35年に開校した神戸高等商業学校を源流として100年以上の歴史を持ち、全国の国立大の中でトップクラスの講座、教員の数を有している。近年、社会情勢の変化で、高度な知識を持つ人材の養成が社会から大学に望まれている。このような社会変化に応じる同学部・研究科にせまる。今回、同学部に焦点を当てた。【9月8日 神戸大NEWS NET=UNN】
同学部は、約60人の豊富な教員数を生かし、経済学における理論・歴史・実証・政策などほとんどの分野をカバー、分野別にゼミナール等で授業密度の高い少人数教育を行っていることを特徴としている。また、大学院レベルの高度な経済学を学ぶことを希望する学生に向けてアドヴァンスト・コースを他の大学に先駆けて設置、他学部と連携して環境に関する科目を立ち上げるなど学部教育の向上にも努めている。
社会変化に応じた動きも見せている。昼間、諸事情で大学に来ることができない勤労学生や社会人の教育のため、昭和22年に当時官立大で初めて設置された夜間学部である第二学部の流れを引き継いでいた夜間主コースの平成20年度からの学生募集を停止した。勤労学生が多く夜間学部に対するニーズがあった社会から、社会人教育が学部より高度な研究を行う大学院で重視される社会になったためだ。このような社会の変化に対応するため、同研究科では、平成20年度から平日夜間と土曜日に社会人向けのリカレント教育プログラムを新たに開設するなど社会人教育の充実を図っている。(次回に詳細を掲載)
時代が変わるにつれ、学部生にも変化がある。昨年度から「ゆとり教育」と世間で呼ばれている文科省の新学習指導要領を受けた学生らが同学部に入学している。田中康秀・神戸大学経済学部長及び大学院経済学研究科長(以下研究科長に統一)はこうした状況に「高校までは文科省の学習指導要領に従って教育を受けてきた。教育には時間が必要。専門科目のみならず、一般教育科目もしっかり修得して卒業してほしい」と話す。
全国で大学院教育が重視されるようになり、神戸大学でも各学部・研究科で様々な組織改革が行われている。学部教育が新たな局面を迎えている今、田中研究科長は「社会が変化しても、経済学の視点で物事の本質を見極める能力を持った人材を養わなければならない。そういった教育ができれば」と話している。
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