神戸大医学部附属病院の肝臓・移植外科で、米国ハーバード大から紹介来院した進行肝癌の患者に対し、高難度手術に成功した。今回の症例はとりわけ限界ぎりぎりの進行例で、術後の癌の制御も良好。このような高難度手術の成功例の報告は今までにない。【8月11日 神戸大NEWS NET=UNN】
門脈腫瘍栓を合併した肝臓は非常に予後不良であり、門脈が腫瘍栓により完全に閉塞した場合、急速に肝機能が急変し死亡に至る。この患者はかなり深部まで腫瘍栓が進展し、完全に閉塞するのは時間の問題であった。このような患者に対する肝切除は、残存肝容積が小さく肝機能も低下する。したがって残存部の腫瘍栓を除去し、門脈血流を完全に回復できなければ死亡する可能性が高く、非常に高難度の手術となる。このためハーバード大学医学部において、アメリカ国内の施設では治療不可能とされた。
術者の知る限りでは、このような高難度手術の成功例の報告は今までにない。(記者=西麻理子)
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