4月から大学教育研究センターの仏語非常勤講師の担当授業削減に伴い、仏語クラスが例年の30人程度から50人規模に変わることが検討されている。非常勤講師側は「教育環境の悪化」と反対。大学側は「常勤教官のコマを増す動き」、「大規模授業は250人以上のこと。10人増えるからといって学習環境が悪くならない」と反論している。【2月15日 神戸大NEWS NET=UNN】?
「時代錯誤的な詰め込み教室へ逆行しようとしている」。仏語クラス改編反対の公開PRが、2月8日昼休み、国際文化学部食堂前で行われた。
公開PRを行ったのは、神戸大で働く教官を中心とする関西圏大学非常勤講師組合(http://www.hijokin.org)に所属する9人。同組合は主に非常勤講師により運営されているが、常勤講師もバックアップしている。
仏語の非常勤講師は常勤の教官と同じ10人。
ある非常勤講師によると「非常勤講師は例年、授業コマを前期、後期2コマずつ担当していた。しかし、今回の担当授業コマの削減で、一人あたり前期2コマ、後期1コマに削減される。これにより、フランス語クラスが例年の30人程度から50人規模へと変わる」と話す。「少人数化が今や常識となった語学教育で、クラスを50人規模に膨らませようとする大学は、時代錯誤的な詰め込み教室状態へと逆行しようとしている」と教育環境の悪化を訴えた。
彼女は、「自分の受け持っている学生は、『先生何してるの』と話しかけてくれた。でも、(一般的に在学生は語学教育を終えていて)新しい学生に関係することなのであまり興味を示さなかった」と話した。
神戸大は独立法人化以降の対策として、『平成18年度以降の全学共通教育について―報告2』の中で、「内容豊かなカリキュラムの編成、大規模授業の解消、学習環境の改善」を掲げている。
大学教育研究センターの平山克也・共通教育課教務係主任は、「非常勤講師は常勤の先生の担当する授業数の残りを担当している。今回は単純に特別非常勤講師の担当授業コマ数を減らしているのではなく、専任の先生にもっと授業を持ってもらおうという声もあったため、常勤の先生の分を増やそうという動き」と話す。また、「一概に学習環境が悪くなるということではない。大規模授業というのは教養原論などの250人以上のクラスをさしている。大規模授業については教室にあった人数に改善されている。現在、英語や中国語では1クラス40人くらい。フランス語が10人増えるからといって大規模授業になるわけでも学習環境が悪くなると言うことでもない」と反論する。
組合側は今回、仏語に注目してPRを行ったが、「再来年度以降も非常勤講師全体の担当授業コマ数が大幅に削減されることが予想される」と主張する。
大教センターの平山主任も「ある程度、案(今回の件も案の一つではある)は決まっている。しかし、はっきりは決まっていない。時代の流れ(近年、中国語の人気が高まっているなどの)があるので最終的には学生が志望を出して確定する。なので、フランス語に限ったことではない」と認めている。(記者=杉浦加奈)?
《追加訂正》大学教育研究センターの平山克也さんの肩書き「共通教育課教務係主任」が落ちていました。付け加えました。(2005年2月17日午前0時45分 編集部)
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