京都弁護士会の弁護士16人でつくる被害対策弁護が9月16日、通信販売会社「EARTH WALKER」の幹部ら8人を無限連鎖講防止法違反(運営)容疑で京都府警に告発。23日には京都弁護士会館で被害者説明会が開かれた。出席者は約100人。その多くが学生で、友人から友人へと勧誘する巧妙な手口が明らかになった。【9月28日 UNN】
同弁護団によると、同社は1口17万円で通信販売事業のオーナーに登録し、新会員1人につき2万円支払うとして勧誘していた。被害者は関西を中心に5000人、被害額は推定で約5億円にのぼるという。その9割が大学生で、サラ金で借金をし、退会後も返済に追われている学生もいる。
動機については「珍しいことをやってみたかった」、「本気で儲けようと思った」など様々。しかし、多くの学生は入会のきっかけを「友人からの誘い」と答えた。ある学生ら同社の勧誘は必ずターゲットの学生とその友人を同席させたという。すでに入会している友人を同席させることで、ターゲットを安心させるのがねらいと見られる。
友人を勧誘し尽くし、勧誘相手がなくなったという男子学生(20)は同社に「バイトを始めて新規開拓」を薦められたという。「友人7、8人を誘った」という学生もいた。友人からの誘いを受けた学生がさらにそのまた友人を勧誘する。学生の交友関係を巧妙に利用する手口が被害を拡大させた。
一方で、「どこまで加害者でどこからが被害者なのか」を気にかける学生も。同弁護団は「告発したのはあくまで幹部」としながらも、今後の方針については「今のところ分からない」としている。また、今後の友人関係について悩む学生もいた。
説明会に参加した男子学生(21)は「40万ほど使った。会社を今まで信じてた。残念」と話した。「夢物語をやってたみたい。お金が返ってくるのなら、返ってきてほしい」。
同社は6月に経済産業省から業務停止命令を受け、現在は連絡がつかない。別名の会社を新設し同様の活動を続けているともいわれている。
問い合わせは平尾嘉晃弁護士 電話075-256-0224まで。
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