関西学生アメフット秋季リーグの初戦、神戸大-京大が9月4日、西京極陸上競技場兼球技場で行われた。前半をRB中井の2TDで14-0と神戸大リードで終えるが、後半、京大に逆転される。しかし、第4Qで神戸大は2度のギャンブルを成功させ、残り2分、QB多和からSE村上へTDパス。さらに2ポイントコンバージョンを決め、22-21と逆転。1997年以来8年ぶりの京大勝利をおさめた。初戦で京大を下したのは1988年以来はじめてのこと。【9月4日 神戸大NEWS NET=UNN】
前半は14-0で神戸大リード
秋季リーグの初戦は神戸大レシーブでスタート。第1Q、敵陣12YでSF矢野川が京大のファンブルをリカバー。先制の流れを作り、TB中井がTDを決める。さらに第2Q、RB中桐の14Yランなどで敵陣26Yとすると、今試合WRとしても起用されたSF矢野川への9Yパスが成功。敵陣深く攻め入り、最後はRB中井のランでTD。続く京大の攻撃ではLB清水、DL金園のサックで相手QBを封じ、前半を14-0と神戸大ペースで折り返す。?
後半残り6分で京大に逆転を許す
しかし後半、LB清水(聡)、SF矢野川、DE清水(寛)ら守備の主力が負傷。一時フィールドを後にすると、ランを中心とした京大のオフェンスに攻め込まれ、第3Q5分と第4Q2分、京大QB宮下の2TDで同点とされてしまう。続いても、京大にQBサックを決められパントに追い込まれると、スナップミスから敵陣にボールを蹴り込むことができない。京大に敵陣45ヤードからの攻撃を許し、TDを決められ逆転されてしまう。試合時間は残り6分。
2回のギャンブルが成功。神戸大が残り2分で逆転
続く神戸大の攻撃、自陣26ヤードからTB中井の9Yランでギャンブルを成功させる。さらに、自陣39ヤードからのフォースダウンでQB多和からWR古川への36Yパスでまたしてもギャンブル成功。次シリーズのファーストダウンでQB多和からSE村上へのパスでTDを決め、同点まであと1点となる。ここで神戸大は2ポイントコンバージョンを選択。QB多和からのパスをRB井ノ上が見事にキャッチし22-21と逆転。
残り30秒で京大のファンブルをリカバー。神戸大が勝利を決める
残り2分、京大自陣39ヤードからダウン更新まで残り4ヤードとしたフォースダウン、京大のギャンブル時に神戸大が反則。5ヤードの罰退でファーストダウンを与えてしまう。しかし次の攻撃で京大がファンブルしたボールをDL荒谷がリカバー。試合時間残り30秒でターンオーバーとなり、神戸大が劇的な逆転勝利を決めた。
「関西制覇」を掲げ、「初戦で負けたら1年が終わるという気持ちでのぞんだ」(矢野川主将)京大戦。大事な局面でパスが決まるなど、高い集中力が目立った。また、本来ディフェンスの矢野川がWRを務めるなど新たな戦術が勝利を導いた。神戸大が京大を下したのは88年(初戦で勝利)、92年、97年に次いで、8年ぶり4度目。安井ヘッドコーチは、「京大戦を乗り越えないと次にはいけない。どうしても毎年破れなかった壁がやっと1つ壊せた。あの場面(京大の逆転)から勝利できたのは選手が自分のプレーに自信を持った結果。本当によくやってくれた」と笑みを浮かべた。また、試合後「うれしい」と第一声をもらした矢野川主将は、「後半逆転されたのは2年前と全く同じ」と試合を振り返り、「今年は痛い場面からどう立て直すか、気持ちをテーマに練習してきた。厳しく言い続けてきたことは間違っていなかった」と話す。 次の関西大戦に向け、矢野川主将は「RB中西を止めるかがカギ。ディフェンスも複雑でランを止めにくるが、しっかり出せれば勝てる」と話す。また、「次の関大に勝って本気の関学と戦いたい」と意気込みを述べた。
●関西学生アメフットリーグ戦(9月4日・西京極競技場)
神戸大 7 7 0 8=22
京 大 0 0 7 14=21
【写真中左】第1Q開始早々にSF矢野川が敵陣12ヤードでファンブルリターン。先制点のチャンスをつくった。
【写真中右】第2QにQBサックを決めて喜ぶLB清水。
【写真下左】第4Q残り6分からの攻撃で2回のギャンブルを成功させ、最後はWR村上へのパスでTD。20-21とする。
【写真下右】2ポイントコンバージョンにより逆転に成功し、喜ぶRB井ノ上(右)とRB中井(左)(9月4日・西京極競技場で 撮影=武井礼美)
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