アメフット入替戦 京産大を下し1部残留

 関西学生アメフットリーグの1部、2部入替戦が12月10日に長居球技場で行われた。京産大と対戦した神戸大は前半0-17と瀬戸際に立たされるも、第4Q11分に同点、さらに試合時間残り1秒でK三輪が決勝のFGを決めて逆転に成功。20-17で1部残留を決めた。【12月10日 神戸大NEWS NET=UNN】

序盤は両チームともダウンを更新できず、0-0のまま第1Qを終了する。
第2Q、神戸大のパントをリターンした京産大WR多胡にタックルをかわされ、神戸大陣27ヤードまで持ち込まれてしまう。続くシリーズの2ndダウンでTDパスを決められ、先制される。さらにその後、神戸大は自陣奥深いゾーンで2回のファンブル。ともに京産大にリカバーされ、第2Q3分に1TD、5分に1FGを決められてしまう。前半は0-17で終了。

Photo 後半に巻き返しをねらう神戸大は開始1分、「中井がTDを決めたとき、負ける気がしなかった」(矢野川主将)というRB中井の72ヤード独走TDで6点を獲得。K三輪のTFPは失敗するものの、活気づいた神戸大はディフェンスでもDL中西を中心に好タックルをみせる。
ランでのドライブが決まりだした神戸大は第3Q5分に敵陣深くまで攻め入り、31ヤードFGの機会を得るが、K三輪がこれを失敗。試合前2週間、キックが決まっていなかったという三輪は「嫌な流れにもっていってしまっていた」と振り返る。しかし第3Q12分にRB中井のランでTDを決めると、ここで2ポイントコンバージョンを選択。QB多和からのパスをTE三輪がキャッチし、14-17と追撃する。
第4Q、神戸大は再び敵陣に攻め入るが試合時間2分30秒を残してギャンブル失敗。3点差のまま京産大に攻撃権を与えてしまう。しかし、後半に入って相手にダウン更新をほとんど許していなかったディフェンスがここでも踏ん張り、残り1分49秒で攻撃権を得る。WR矢野川への36ヤードパスが成功するなどしてダウンを更新すると、「2ポイントのパスをキャッチしたことで吹っ切れた」というK三輪が同点の28ヤードFGを決める。
さらには、次の京産大の攻撃でファンブルしたボールをLB山本がリカバー。試合時間1分を切って逆転への攻撃権を得ると、残り1秒、43ヤードから「何も考えずに蹴った」というK三輪のFGがバーのわずか上を通過。審判の両手が挙げられた瞬間、神戸大スタンドは総立ちで歓喜の渦に包まれた。

「最後まで勝利を信じてやれと言った。信じてくれた選手たちがよくやった。(43番の三輪は)よく外していたが、思い切って蹴ってくれた。ようやりました」と、普段よりも早口に話す安井ヘッドコーチは勝利の興奮を抑えきれない様子。
第4Qにはほとんどのパスターゲットとなり、リーグを通してディフェンス、オフェンスを兼任した矢野川主将に対しては「1番頼れるヤツ。(ケガを押して)今日も無理してよく頑張ってくれた」と労った。

Photo 試合後、整列してスタンドを向いた途端、涙をみせた矢野川主将は「ほっとした。毎回多くのお客さんが入ってくれることがうれしかった」と、会場まで足を運んでくれる多くのレイバンズファンに感謝の気持ちを表した。
「気持ちをひとつにして戦えるかが、勝敗を決めるすべて」(矢野川主将)と、1年間チームを引っ張ってきた主将は、チーム全体で勝ち取った勝利を祝した。


【写真下】試合終了後、選手たちに胴上げされる矢野川主将。リーグを通して攻守に活躍した。(ずれも12月10日・長居球技場で 撮影=武井礼美)?

●関西学生アメフットリーグ1部-2部入替戦(12月10日・長居球技場)
神戸大 0 0 14 6=20
京産大 0 17 0 0=17

より詳細な試合経過は速報ページでご覧いただけます。?【速報ページ】

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