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- 犠牲者慰霊の灯火 聞き語り調査の学生ら
阪神・淡路大震災で44人の犠牲者を出した神戸大で1月16日夜、「犠牲者聞き語り調査」に取り組む学生4人が、慰霊碑の前に並べた竹灯篭(ろう)の中のろうそくに灯をともした。震災犠牲者の鎮魂を願う神戸市中央区の「慰霊と復興のモニュメント」に灯されているガス灯「1・17希望の灯り」から灯をもらい、慰霊碑の前に並べた竹灯篭に点火するこの活動も今年で4回目を迎えた。【1月16日 神戸大学NEWS NET=UNN】
あたりが暗くなるころ、六甲台学舎の前庭に人影があった。慰霊碑前の砂利場に懸命に灯篭を固定しようとしているのは、「犠牲者聞き語り調査」の大学院生たち。砂利のため、ぐらつく竹灯篭に苦戦している。固定して、いざ点火という段になっても、ろうそくには、なかなか灯がつかない。ガス灯「1・17希望の灯り」からもらったランタンの灯を種火に、灯篭の中に浮かべられたろうそく一つひとつに灯をともしてゆく。悪戦苦闘を1時間以上続けて、ようやく45本の灯篭に灯がつくと、ほっとした声がもれた。「こんなに時間がかかるとは」と予想外の苦戦を認めつつ、「一時は、つかないんじゃないかと思いました」と苦笑い。
並べられた45本の竹灯篭の中に、ひときわ大きい灯篭がある。マジックペンで「希望」と書かれたその灯篭には、大学院生たちの思いが込められている。聞き語り調査に携わる1人、横山健志さん(自然科学研究科・1年)は「他にも『祈り』や『命』などの言葉があった。しかし、道半ばにして亡くなった方々に、少しでも明るい思いを込めた言葉がよいと思い、これに決めた」。神戸大で犠牲になった44人を慰霊する他の灯篭とともに震災が起こったそのとき、17日午前5時46分まで灯りを灯し続ける。
「犠牲者聞き語り調査」は、大学院生が中心となって、震災犠牲者一人ひとりを記録し、震災の事実を後世に伝える活動。2000年から毎年1月17日、慰霊碑の前に灯をともした竹灯篭を並べ、犠牲者を追悼してきたのも、その活動の一環だ。
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