神戸大と神戸商船大の統合から10月1日でちょうど1年を迎えた。これまで海事・海洋に特化した単科大学だった神戸商船大は、神戸大海事科学部となり、より幅広い教育を目指している。深江キャンパス白鴎寮では「様々な価値観が寮にも入ってくる」と、統合でマインドに変化があるという指摘も。研究・教育面での交流や課外活動の面で、やはり離れたキャンパスは不便という声もでている。【10月6日 神戸大NEWS NET=UNN】?
「商船だけの教育では足りなかった部分を他学部との交流で補っていくための土壌を築きつつある」と西田海事科学部長はこの1年を振り返った。目指すものは「行政マンの育成。これに尽きる」(同学部長)という海事科学部にとって、社会科学、理工学との融合は理想的だ。しかし、キャンパスの離れた海事科学部では昼休みなどに他学部との交流がない。
六甲山の山麓を切り開いた六甲台キャンパス(灘区六甲台町、鶴甲)と、海に面した深江キャンパス(東灘区深江南町)は直線距離で5キロほど離れている。
単科大学から総合大学となり、この地理的な分散が学部間の交流の難しさを感じている。「海事にどんどん遊びにきてほしい」(同学部長)とキャンパスを越えて情報交換をしていきたいと話す。?
学生生活も変わってきた。今年入学した1年生は共通科目のため週5日、六甲台キャンパスで授業を受ける。海事科学部生の多くが生活する白鴎寮寮長の山口健太郎さん(海事・3年)は、「1回生は他学部の学生と接するので、様々な価値観が寮にも入ってくる」と話す。
上下関係の厳しい白鴎寮が、新たな価値観によって変化していることを感じるようだ。今後は、「1回生の意見も取り入れつつ、自分たちのいい部分も残していきたい」と山口さんは話す。?
また、課外活動では、キャンパスが離れているため海事科学部生が不便に感じることが多い。通うのが大変との理由で、統合後クラブを辞めてしまった学生は少なくない。
カッター部や海事科学部野球部など、統合後も深江キャンパスで活動を続ける団体も存在するが、今後部員の確保に悩まされそうだ。?
「環境が変わり、自分たちも変わっていかなければならない」と山口さん。より幅の広い教育と充実した学生生活のため、統合後も模索は続いている。?
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