手術訴訟で医師の過失確定 神戸大病院

 神戸大病院で脳の手術を受けた後に死亡した男性の遺族が、手術ミスを理由に国と担当医2人に約1億円の賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷は双方の上告を退ける決定をした。【4月24日 UNN】

 手術後、脳内で出血、血腫(しゅ)のできた原因がミスかどうかが争点になったが、神戸地裁、大阪高裁は医師の過失を否定。最高裁第三小法廷が1999年「手術ミスを強く疑わせる事実を十分検討せずに、極めて低い可能性を根拠に過失を否定した」と下級審の誤りを指摘し、審理を大阪高裁に差し戻した。
 これを受けて差し戻し審の大阪高裁は01年、脳内出血は手術ミスが原因とは認めなかったが、救命手術を受けていれば生きていた可能性が高いと認定。医師の判断ミスで適切な治療を受ける機会を奪われたとして慰謝料の支払いを命じていた。

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