文科省が、アジア系民族学校の卒業生でも大学入学資格を得られるようにする方向で検討していることが、7月31日にわかった。【8月2日 UNN】
文科省は現在、案の可否を政府や与党の関係者に打診しており、実現の見通しがたてば来年度の入学者から対応できるように省令や告示を改正する。
関係者によると、学校単位で認める規定と個人単位で認める規定をそれぞれ認める案を検討しているという。
インターナショナルスクールのうち英米両国にある民間評価機関の認定を受けた学校の卒業生には入学資格を与える。また、ブラジルやインドネシアといった、日本と国交のある外国の子供が通っている国別の学校のうち、本国が正式に認可している場合に限り、卒業生に入学資格を与える。
朝鮮学校卒業生の場合、北朝鮮との国交が結ばれていないため、学校単位での資格を認めることはできない。また、認可をうけていないインターナショナルスクールや、国交を結んでいる国でも本国に認可されていない個別国学校の卒業生も同様で、学校単位での認可はおりない。しかし、今回の案では大学側がどのような学習を受けてきたかなどを考慮にいれ、条件があえば資格があたえられるようになる。
現在、公私立の中には大学の判断で受験を認めている大学もあるが、国立大は文科省の方針に従い、大検を合格しないで受験することは認めてこなかった。今回の案が実現すれば、大学によっては朝鮮学校卒業生にも大検抜きで受験の道が開かれる。
文科省は今年3月、欧米系のインターナショナルスクールに限って入学資格を認める方針を明らかにしていたが、人権団体などから差別だとの批判を受けて再検討してきた。また、野党だけでなく与党内の公明党や、京都、大阪、兵庫の3府県からも見直しの要請が相次いでいた。
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