24時間周期でリズムを刻むほ乳類の体内時計が、脳の一部で働く仕組みを神戸大などの研究グループが解明。11月21日付米科学誌サイエンスに発表した。【11月21日 UNN】
研究に携わったのは、医学部の岡村均教授(分子脳科学)、山口瞬教授(同)ら。ほ乳類の体内時計は、時計遺伝子を持つ脳内の多数の神経細胞が協調して1つの時計として働いていることを、マウスの実験で突き止めた。体内のリズムの乱れが原因とされる睡眠障害などの治療への応用が期待される。
岡村教授らはホタルの発光遺伝子を組み込み、時計遺伝子が活性化すると光るマウスを作成し、体内時計の中核とされる脳の視交叉(しこうさ)上核の神経細胞の光り方を観測した。
その結果、個々の細胞の発光のピークはほぼ一日周期だが、ピークの時刻にはばらつき見られた。これに対し、それらの細胞が集まった視交叉上核全体では、上から下に向かっておおむね24時間周期で規則正しく発光していることを確認。数千の細胞それぞれの時計が協調して一定の正確なリズムを生んでいることを突き止めた。
細胞間の情報伝達を阻害するフグ毒のテトロドトキシンを投与すると、細胞活動が弱まり、全体の時計のリズムが大幅に乱れた。研究グループは、情報を伝達するための電気的な活動と体内時計との関係を示す結果とみている。
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