小泉純一郎首相が打ち出した公共事業改革の具体策について塩川正十郎財務相は六月五日の閣議後、国立大の建設を新たに公共事業として位置づけることを表明した。【6月7日 UNN】
公共事業関係費(二〇○一年度九兆四千億円)の配分は特定財源や長期計画に制約され、道路や河川、ダムなどのシェアが固定化されているが、塩川財務相の構想には公共事業の枠組みに新しい事業を導入することで、政官業の既得権益化した予算配分を変える狙いがある。
国立大は従来、国の施設費(同九千億円)に分類されている。塩川財務相によると、研究所や病院、美術館など公共事業として整備していいものは相当あるらしい。
公共事業の枠組みの見直しを巡っては尾身幸次・科学技術担当相が「先進諸国に比べて見劣りする大学施設を公共事業に分類する必要がある」と指摘し、片山虎之助総務相も高速インターネット整備事業を公共事業に位置づけ、配分する考えを提案している。
経済財政諮問会議は公共事業関係費を中期的に減額する方向で打ちだしているが、この予算配分は例年、与党が自由に配分できる枠が設置されるので、昨年の予算配分では予算要求に上限を設けず、整備新幹線予算が大幅に膨らんだ経緯がある。
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