神戸大学自由劇場の2001年度新人公演「キレイ~神様と待ち合わせした女~」が9月1日、2日の両日、六甲台講堂で上演された。2日間合わせて201人の観客が劇場を訪れた。【9月2日 神戸大NEWS NET=UNN】
今年の新人公演は20人の役者が出演し、それぞれ個性的な演技で舞台を盛り上げた。
ストーリーは主人公の少女の過去の暗い記憶と、戦争が続く町での彼女の生活が鮮烈に対比されながら進んでいった。彼女は過去を忘れようとするが、成長して大人になっても、周囲の人間関係が変化してもその過去から逃れられない。そしてクライマックスで彼女は過去に置き去りにしてしまったもう1人の自分に気付き、2人の主人公が向き合うなかで物語は終焉に向かう。過去と未来を同一のシーンで交錯させたり舞台セットにスクリーンを用いるなど演出にも工夫が見られ、観客も物語に引きつけられていた。
生命や性という重いテーマが想起され、また戦場や閉鎖された地下室が主要な舞台になるなど全体を通して閉塞間の漂う内容だった。しかし、演出を担当した奥野麻季さん(松蔭女大・2回)が「お客さんが見やすいように工夫した」と言う通り劇の随所にギャグ的な要素も織り交ぜられており、それぞれの場面で観客の笑いを誘った。
「人物の強さを演出した」と奥野さん。また、今回の公演で主人公のケガレ役を力強く演じた上原和歌子さん(法・1回)は公演後「上演中、とても楽しかった。成功だったと思います」と振り返った。これからに関しては奥野さんも上原さんも「スタッフ全体の意思疎通を図り、人間関係を大切にしていきたい」と声をそろえた。
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