産経新聞などによると、文部省の調査で、全国のほとんどの国立大が学内コンピューターやLAN(機内情報通信網)へのハッカーによる不正アクセスを受けていたことがわかった。【6月21日 UNN】
国立大だけでなく私立大でも、回答した三割が不正アクセスの被害に遭っていたことが判明。文部省は「大学の対策は不十分」として、セキュリティー対策改善の検討を始めた。
文部省は昨年十一月、全国九十九の国立大と十四の大学共同利用機関の計百十三機関を対象に、コンピューターのセキュリティー対策について調査。百十二機関から回答があった。
それによると、九五%に当たる百六機関が一九九七年度以降、情報システムに不正アクセスされたことがあると回答。「ない」としたのは三機関だけだった。
被害の内容(複数回答)は、大学の電子メールサーバーを勝手に使い文書を送信する「不正メール中継」が四十七件(二七%)で最多。次いで「システム破壊」が二十七件(一六%)、「侵入」が二十六件(一五%)。以下、「情報の改ざんや破壊」、大学のサーバーへの侵入を足掛かりに、他のサーバーに侵入する「踏み台」、大量のデータを消去するなどして機能不全に陥れる「サービス妨害」、コンピューターに蓄積された情報を盗み出す「情報窃盗」など。
セキュリティー対策として、ネットワークへの不正侵入を遮断するファイアーウォール(防護壁)は、七八%の八十五機関が構築している。しかし、暗号や正当なアクセスかどうか判断する認証技術を導入しているのは四三%だけだった。
一方、文部省の外郭団体「私立大学情報教育協会」が今年二月、四百七十二大学と短大を対象に行った調査では、回答した二百四十五校のうち、三〇%の七十一校が被害を受けたと回答。最も多い被害は「不正なメール中継」だった。
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