中高校生のための教材ホームページのコンテスト「シンク・クエスト@JAPAN’99」(主催=ThinkQuest日本プログラム推進委員会、共催=日本インターネット協会、後援=文部省ほか、特別協力=読売新聞社)の受賞式が東京・国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた。大学生・社会人の部で、神戸大学ニュースネット委員会が制作に協力した「阪神大震災ノート『語り継ぎたい。命の尊さ』」が、プラチナ賞を受賞した。【6月10日 神戸大学NEWS NET=UNN】
「シンク・クエスト」はアメリカで始まった教育系サイトのコンテストで、九六年から行われ今年が五回目。日本版の「シンク・クエスト@JAPAN」(http://www.thinkquest.gr.jp/)は、一九九八年度に始まり今回が二回目の大会となる。
大学生・社会人の部には、中高生の教材になるものか、大学生や教員を利用対象とした教材となるホームページが参加し、五十八チーム(百四十七人)が応募。制作を完了した科学・数学部門、芸術・文学部門、社会科学部門、学際部門あわせて二十三チームが審査対象となった。
この日の授賞式ではまず、「プラチナ賞」に「阪神大震災ノート『語り継ぎたい。命の尊さ』」など四作品、「金賞」「銀賞」には各三作品が発表され、さらに「プラチナ賞」のなかから「最優秀賞」一作品が選ばれた。
最優秀賞には日本語学習支援サイト
大学生・社会人の部の「最優秀賞」には、東京国際大の川村よしこ教授、静岡大の北村達也助手、東大院生の保原麗さんのチームが制作した「日本語学習支援システム『チュウ太の読解教材バンク』」http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj1999/20190/が選ばれた。
ねずみのキャラクター「チュウ太」とともに、語彙チェッカーや辞書ツールを使いながら楽しく日本語の読解力をつけるウェブサイトだ。
留学生に日本語を教えつつ、教材不足に悩んでいた川村さん、辞書システムの技術はあったがアピール先が見つからなかった北村さん、パソコンの技術にに精通していた保原さん。ネット上で知り合った三人は、お互いの能力やニーズを組合せてこのサイトを完成させた。やりとりはほとんど電子メール。「アメリカではインターネット上に語学学習のための教材が豊富にあるが、日本にはまだ少ない。日本語の教材を日本から発信したかった」と川村さんは話す。
【写真】「最優秀賞」を受賞した「チュウ太の読解教材バンク」チームの東京国際大の川村よしこ教授(左)と、静岡大の北村達也助手。(6月10日午後3時・東京渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターのレセプションホールで)
「これからも震災を語り継ぐサイトに」
惜しくも最優秀賞を逃した「阪神大震災ノート『語り継ぎたい。命の尊さ』」http://contest.thinkquest.gr.jp/tqj1999/20291/は、ニュースネット委員会の栃谷亜紀子・前編集長と、小田原市の主婦でつくる「グループ・スプラッシュ」の井上裕子さん、NHKアナウンサーの住田功一さん(一九八三年・経営卒)の三人のチームの共同制作ホームページ。
ニュースネット委員会が写真や資料などで協力している。
栃谷亜紀子・前編集長は、「インターネットは場所を超えて発信できるツール。これからも全国の中高生にむけて阪神大震災を伝えていきたい」と話す。
また、住田さんは、「東京で働く私と、神戸大の学生たち、小田原の主婦グループが協力してサイトを制作できたのはネットのおかげ。みんなが、震災を忘れず語り継ぎ、考える場にしていければ」と満足そう。
●「シンク・クエスト@JAPAN’99」大学生・社会人の部
(6月10日・東京・国立オリンピック記念青少年総合センター)
▽最優秀賞
「日本語学習支援システム『チュウ太の読解教材バンク』」
川村よしこ(東京国際大)、北村達也(静岡大)、保原麗(東大)
▽プラチナ賞
「日本語学習支援システム『チュウ太読解教材バンク』」
「民話いろりばた・山形編」
村山秀明(株式会社えいちえふぴぃ)、犬飼智子(東北芸工大)、前川道博(東北芸工大)
「阪神大震災ノート『語り継ぎたい。命の尊さ』」
栃谷亜紀子(神戸大)、井上裕子(グループ・スプラッシュ)、住田功一(日本放送協会)
「環境教育ソフト『・・・みつけたよ』」
森川彬(株式会社ヴォイス)、三浦明博(私立三浦広告所)、平等(東北電力)
▽金賞
「歴史上の人物になろう!!」
安福実佐子(エールネットワーク専門学校)、尾形慎介(エールネットワーク専門学校)、
藤田雅代(エールネットワーク専門学校)
「Language Planet」
三枝裕美(京大)、巻山享子(京大)、杣田美幸(京大)
「GO!GO!植物栽培」
鈴木千香子(静岡大)、島田清文(静岡大)、大塚雅子(静岡大)
▽銀賞
「ピンホールカメラの世界」
中川博登(上越教育大)、高山正(上越教育大)、駒谷昌宏(上越教育大)
「身近な四季の植物」
手塚光晴(長野市理科教育センター)、北澤靖司(長野市理科教育センター)、
藤田茂(長野市理科教育センター)
「色と光の実験室」
関川準之助(北海道函館中部高校)、千賀慎一(北海道函館中部高校)
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