あの阪神大震災からもうすぐ2年…今も被災地大学の学生として震災支援活動に取り組む人たちがいる。
神戸大震災救援隊は十一月二日の厳夜祭で被災者への公的補償への理解を深める講演会を開いた。内野真さん(法・二)は「公的補償について一時わあっと議論されたのにいつの間にか消えてしまって…今どういう議論がされているのかわからないんですよね」と話す。いつの間にか忘れ去られがちになる震災、当の本人もあまり意識して考えることが少なくなったという。「時間的な区切りの時以外は本当にいわれなくなりましたね。仮設住宅も統廃合の問題があるが、もう震災で仕方なく建ったという意識すらなく、いつの間にか『見慣れた』仮設となってしまって…。それに被災当地の大学という意識が全くない新入生がこれから来ると思うと、あとに伝える難しさと、けれど大切さが交錯して…」。
総合ボランティアセンターは六甲祭で模擬店を出す。収益金はあしなが育英会に寄付し、震災遺児のためのレインボーハウス(多目的ビル)を建てる基金とする。また甲南女子大生によるフリーマーケットも開き、被災地障害者センターのTシャツを販売する。前代表の稲村和美さん(院・一)はもうすぐ二年だという特別な意識はないという。「規模にかかわらずもしよそでおこった出来事なら人ごとだと思っていたでしょうね。そういう人のこともわかる。わかるからこそこの被災地からどう発信していけるかを考えなければいけない。でも自分があの震災で何を学んだかといわれればちょっと思い出せない」。奈良から今も自宅通学、当時は自宅にいた。「揺れの衝撃は直接体験しなかったが、当たり前のことが当たり前でなくなったのを目の当たりにした衝撃が大きい」。
三十九人のともを失った神戸大にも、まもなく二回目の一月十七日がやってくる。
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