5月21日、神戸大鶴甲第1キャンパスのラーニングコモンズで、学内を中心に活動するボランティア系10団体が一堂に会するイベント「ぼらcafe」が開催され、新入生勧誘と相互の交流が行われた。
(ボランティア系10団体が参加して行われた「ぼらcafe」 2019年5月21日午後 鶴甲第1キャンパスで)
今年度の「ぼらcafe」には10団体が参加。お茶やお菓子が用意された和やかな雰囲気の中、パワーポイントやチラシを使ってそれぞれの活動をアピールした。
来場者は50人ほど。主催者した神戸大学学生ボランティア支援室によると、これまで4月上旬に開催して新歓色が強かったが、今年は団体同士が互いに情報を交換する場としての意味あいが濃くなったのではという。
今回の「ぼらcafe」にブースを出した団体のメンバーの中には、去年の「ぼらcafe」で説明を聞いて入部したと話す学生も。毎年、各団体に入った新入生の数も順調な数字をみせていて、学内にボランティアに関心のある学生が多いこともうかがえる。
「このイベントが、ボランティアに興味はあっても少しハードルが高いと感じていたり、具体的にどんな活動をしたいか決まっていない学生などにとって、良いきっかけになってくれれば」というボランティア支援室ボランティアコーディネーターの東末真紀さん(48)は、「こうした団体同士が交流できる場を提供することで、各団体が抱える問題を連携して解決したり、変化する地域社会に向き合うことができる継続的な活動にもつながればいいと思う」と話してくれた。
2009年から始まったこの「ぼらcafe」年。当時「ぼらcafe」開催を呼びかけたボランティア支援室の元スタッフで、学生震災救援隊OBの藤室玲治さん(45)も会場を訪れた。藤室さんは「東北や熊本(の地震災害)、昨年の岡山の(水害での)災害復旧の支援など、継続的に活動していくことで新たな課題も見えてくるはず。これからも続いてほしい」と、後輩たちの活動への期待も高まる。
今回の「ぼらcafe」は事前の宣伝の甲斐あってか、社会人や外国人など、大学外部から説明を聞きに来る参加者も。神戸市社会福祉協議会地域支援部広報交流課の唐津史郎さんは、「大人のボランティア団体にはできない学生ならではの活動を行っているのがよく伝わってきた。ボランティア活動は、地域に愛される息の長い活動が大切なので、学生のみなさんの活動を市民にも知ってもらうためにも学生団体とうまく連携していきたい。」と話す。<渡邊志保>
今回の「ぼらcafe」に参加した10団体のそれぞれのアピールポイントを聞いた。(順不同)
AISEC(アイセック)
主な活動内容は海外インターンシッププログラムの企画・運営や、インターンシップに参加する学生の支援。それぞれのメンバーが将来に対して高い志を持ち、互いにいい影響を与え合うことができる環境がアピールポイント。
神戸大学総合ボランティアセンター
児童福祉、障がい者福祉、高齢者福祉、まちづくりなど、多様な活動を同時進行的に行っている。一つのテーマに絞ることなく実際に様々な分野で活動することを通じて、自分なりのボランティアの楽しさを見つけられる。
神戸大学学生震災救援隊
阪神淡路大震災を受け設立され、東北、岡山など全国に支援活動の幅を広げている。神戸を中心にお茶会などのイベントを開催したり、読み書きの苦手な子供の学習支援などを通じ、震災を経験した市民の心に寄り添う活動を行っている。
地域密着型サークル にしき恋
兵庫県篠山市西紀南地区での農業ボランティアが主な活動。活動を通じて地域の人々と強い絆を持つことができ、自分が楽しいと思っている活動がボランティアにつながっていることも実感できるという。いつ参加してもいいという自由さもある。
手話サークルぺんぺん草
ゲームなどを通じて気軽に手話を身に着けられる。他大学の学生と交流会を行ったり、児童館などで子どもに手話を教える活動を行ったりしている。和気あいあいとしたアットホームな雰囲気の中で手話に親しめる。
神戸大学持続的災害支援プロジェクト Konti(コンティ)
2016年の熊本地震を受けて設立された。復旧支援だけでなく、その先の町の将来を見据えた活動を行っている。メンバー一人ひとりが自分の個性を発揮し本当にやりたいことを形にできるのが魅力という。
学生流むらづくりプロジェクト木の家
農業体験や姫路市の空き家の改修など、農業や建築に関わりながら地域の人々と交流する活動を行っている。高校時代には取り組んだことがない新鮮な経験ができ、自然豊かな場所で自分たちが楽しむことを通じて地域活性化のボランティア活動ができる。
Truss(トラス)
神戸大学への留学生との交流や、ビザ申請のサポートなどを行っている。参加するだけで国際交流ができる。おすすめイベントは、留学生が指導する料理教室で『同じ釜の飯を食う』ことを意味する、「おなかまクッキングパーティー」。
特別認定NPO法人まなびと
神戸大の学生も多数在籍しているNPO法人。学童保育や外国人向けの学習支援を通じて多様な人と関わることができる。チームで活動に取り組む中で、自分のできることがみえてくるという。
水道筋まちづくりプロジェクト
毎月第2日曜日に、灘区の水道筋商店街でお茶とお菓子を用意して休憩スペースを開いている。その月の行事についての展示や季節にあったおりがみ製作、学生団体の紹介などを月替わりで行っている。(ツイッターから)
了
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