神戸大は4月28日、公式ホームページに武田廣・神戸大学長からの教職員宛てメッセージを掲載した。オンライン授業に取り組む教員、危機の中で業務を続ける職員に感謝し、「神戸大学の生き残り、存在感向上のために、全力をあげようではありませんか」と激励している。
<学長メッセージ全文>
教職員の皆さん、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、教育・研究、附属病院の診療など本学の使命を遂行するために、最前線で奮闘していただいていることに、心より感謝し、敬意を表します。ご自身の命と健康を守るため、在宅勤務、交代出勤、時差通勤などあらゆる対策を講じてください。また、附属病院をはじめ、どうしても出勤する必要がある部門においては、感染防止対策に最善を尽くすよう、改めてお願いします。
この感染症がいつ克服されるのか、現時点では予測することは不可能です。学生諸君がキャンパスに立ち入ることを禁じており、大学の第一の使命である学生の教育は、そのスタイルを一変させる必要があります。教員の方々は遠隔授業のためのコンテンツ作りに多大な労力を強いられ、ストレスも多いと思いますが、教育方法を変革、高度化するチャンスともとらえて挑戦していただくよう訴えたいと思います。また、学生諸君に知的刺激を与え、人生の先達としての知恵を伝えてきた、対面講義での「雑談」・「脱線」に通じるような工夫もお願いします。
職員の皆さんには、学生諸君からの履修登録などの問い合わせ対応、システム環境の整備など多く課題に忙殺されていると思いますが、大学の教育機能の維持は皆さんの双肩にかかっています。学務関係以外の職員の方々にも、厳しい職務環境の中で、大学機能の維持に尽力いただいています。皆さんのご努力に心から感謝しています。
大学は社会に指針を示す「知」の拠点です。研究を通じて、感染克復の方策を追究すること、社会・経済的影響を最小化する政策を提言すること、感染症と共存する社会の在り方を構想することが現下の使命です。
天然痘、ペスト、コレラ、約100年前のスペイン風邪など未知の感染症は繰り返し大流行してきました。中世のペストの甚大な被害が人々の宗教との関係を大きく変えたように、社会変革につながる衝撃を世界に与える可能性も小さくありません。アカデミアの役割は、そのような影響を客観視し、将来を構想することです。文理の広範な分野の研究者を擁する神戸大学は、その先頭に立つ気概を持たなければなりません。研究科間の垣根が低い本学の伝統を生かし、社会が必要とする研究分野の開拓にも挑戦してください。
大学執行部は、教育、研究に必要な環境整備に全力で取り組みます。生計の維持も難しい状況の人も少なくない今、教育・研究を通じて社会貢献する気概を持たなければ、大学は社会から見捨てられてしまうでしょう。神戸大学の生き残り、存在感向上のために、全力をあげようではありませんか。
(令和2年4月28日 神戸大学長 武田 廣)
○【メッセージ】教職員の方へ 学長メッセージ
https://www.kobe-u.ac.jp/topics/sf/message/2020_04_28_01.html
(画像下:学長メッセージのスクリーンショット 2020年4月28日付)
了
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