7月下旬に入り、新型コロナウイルスの感染者が再び増加している問題で、全国の大学でも学生のクラスター感染が相次いで報じられている。関西圏では阪南大で20人、京大で5人などの感染が確認された。このほか東北工大、中央大、横国大など全国の大学で課外活動などを通じた集団感染が伝えられている。
現在の感染再拡大では、20代の感染者の割合が増加している。兵庫県では、7月23日に確認されたコロナ感染者30人のうち20代が17人と半数を占めた。学生世代で感染リスクが高まっており、一層の感染対策が求められそうだ。
阪南大ではクラブ活動で20人が感染
阪南大(大阪府松原市)では、7月21日に学生1人の感染が確認され、学生の所属していたクラブ活動の学生や関係者にPCR検査を実施。その結果、7月23日、さらに学生19人の感染が確認された。阪南大は、感染が発生したクラブの活動を無期限停止し、全部員に自宅待機を指示した。また、7月から一部の対面授業を再開していたが、7月20日から全ての授業を遠隔に切り替え、全学生に対しキャンパスへの入構を禁止した。
(画像↓:さらに19人の感染が判明したと伝える阪南大のホームページ。2020年7月24日付)
京大はサークルで5人が感染 全ての課外活動を停止
京大(京都市左京区)は7月22日、20代男子学生1人の感染が確認されたと発表。学生は7月11日、12日に屋外で課外活動に参加し、13日、14日にマスクを着用して京大に入構した。京大の発表では16日に頭痛・発熱などの症状が現れ、17日に医療機関を受診、19日夕方にPCR検査陽性が判明した。
接触の可能性がある54人にPCR検査を行い、7月23日に4人の学生の感染が判明した。この4人は22日に感染が発表された学生と同じ課外活動団体に所属していた。
京大では課外活動を今月10日から一部再開していたが、7月21日からいったん全ての課外活動を停止した。「5人が所属する団体では大学の感染予防マニュアルで認められていない飲食を伴う会合を複数回行っていたことがわかった」と大学側が記者会見で発表したと、7月24日夜のNHKニュースが報じた。
(画像↓:あわせて5人の感染者が出たと伝える京大のホームページ。2020年7月24日付)
中大は運動部合宿所で13人 横国大は医学生8人
中大(東京都八王子市など)では、八王子市内の運動部の合宿所で集団感染が発生した。合宿所で共同生活していた部員から、7月20日までに13人の感染が確認された。感染した学生らはいずれも軽症か無症状。
横浜国立大(横浜市保土ヶ谷区など)では、7月23日までに10代~20代の合計8人の学生の感染が確認された。8人は7月15日に横国大の運動系サークルが中心になって行った会食に参加しており、横浜市はここで集団感染が起きたとみている。
東北工大は宴会で15人 東北最大のクラスターに
東北工大(仙台市太白区)では、7月17日までに男子学生15人の感染が確認された。学生たちは7月6日に合計18人で仙台市内の飲食店で宴会を開いた。河北新報の報道によると、15人は宮城県内で最大規模のクラスター。宴会は大皿料理が提供されたとみられ、感染が広がる要因になった可能性がある。
7月14日に1人の感染が判明し、参加者全員の検査で他に14人の感染がわかった。感染者のうち4人は宴会後も対面授業を受けていた。東北工大は6月4日から段階的に対面授業を再開していたが、14日から休講としオンライン授業に切り替えた。感染者と同じ授業に出席していた学生には自宅待機を要請し、健康に不安を感じる学生に向けた専用相談窓口を設けた。
仙台市では7月以降、大学生や専門学校生の感染確認が相次いでいて、6月18日から7月17日の市内の感染者32人のうち10代・20代が23人と7割を占めた。仙台市は17日、市内の大学や短大、専門学校など計82校に、感染症対策の徹底の周知を求める文書を送付した。
金沢大(石川県金沢市)では、7月24日までに、現役学生4人とその家族など、関係者を含め合計6人に感染が確認された。現役学生4人は全員が医学類の学生で、金沢市は集団感染が発生したとみている。
同志社、立命、関大、甲南大でも散発的に陽性判明
このほか各大学のホームページによると、甲南大(神戸市東灘区)で7月14日、15日に相次いで20代男子学生2人の感染が判明。
同志社大(京都市上京区ほか)では7月17日と19日に学生の感染が判明するなど、7月は24日までに6人の感染が判明。
立命大(京都市北区ほか)では、7月13日と21日に学生の陽性が判明したと発表。
関大(吹田市ほか)では7月に入って、4件の学生の陽性判定をホームページで発表している。
京阪神の大学でも学生の感染が相次いで判明しているなか、関学大(西宮市ほか)は7月23日(木)から活動制限レベルを現在の「レベル2」から「レベル3」に引き上げて、一部科目の定期試験を原則として中止するなど警戒を強めている。
了
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