4月に活動を停止していたUNN関西学生報道連盟(大阪市淀川区)は、8月29日に共同編集室を閉鎖した。1991年に発足し、9大学の学生新聞の部員らが活動していた編集室は30年近くの活動を終えた。加盟していた神戸大ニュースネット、神戸女学院K.C.Press、阪大POSTは単独で活動を続けている。<OB取材班>
UNNは、3月28日付で活動停止を決議、4月以降はホームページなどでのUNN発のニュース配信をストップしていた。その後、新型コロナウイルスの感染拡大で各大学の課外活動禁止が続いていたため、9大学が使用していた大阪市淀川区西中島の共同編集室の撤収作業は、OBで構成するUNN関西学生報道連盟旧友会が中心になって進められていた。
(写真:共同編集室の撤収作業にあたるOB 2020年8月8日、大阪市淀川区西中島で)
存続する3団体のメンバーやOBが調整し、存続する3団体の所有機材やバックナンバー本紙はそれぞれの団体に引き取られ、7月24日からは数回にわたって撤収作業が行われた。
1999年に神戸大ニュースネットが、関学新月トリビューン(休刊)、神戸女学院K.C.Pressと共同で開催した阪神・淡路大震災写真展のパネルなどは、六甲台のニュースネット部室に移されることになった。
加盟9大学新聞の卒業生で、全国紙やブロック紙、地方紙、通信社の記者やカメラマンとして活躍する元編集部員らが共同編集室の撤収作業に協力。最終日となった8月29日も、名残惜しそうに窓拭きなどを手伝った。
最後に、旧友会の代表が共同編集室のビルを管理する不動産会社に鍵を返却し、賃貸契約の解除を確認。UNN関西学生報道連盟の共同編集室は29年の活動を終えた。
共同編集室が入居していたビルを管理するダイニホン不動産株式会社代表取締役の杉本清一郎さん(62)は、6年前に亡くなった父親の正一郎さんの代に最初の入居契約をして以来、約30年のあいだ編集室の学生たちを見てきた。
(写真:30年近く編集室の学生たちを見てきたダイニホン不動産の杉本清一郎さん)
入居者で大学生の団体は他になく、最初の契約を結んだ神戸大ニュースネット卒業生の広告代理店の社名を見て、「大丈夫だろうと思った」と振り返る。自らは関西大の卒業生(1980年工学部、82年院卒)で、関大タイムス(休刊)が加盟していることもあって親しみを持って接してきた。
「真面目で、記者になりたいとか、目的意識をもった学生さんが多かったね。部屋は汚かったけど(笑)。廊下や階段でタバコを吸っていて注意したこともあった。でも、そんな行儀の悪さも気にならなかった。若い人が入居してくれていて賑やかでした」と振り返る。「これからもまだやっていきはると思ってたけど…。また、いつでも訪ねてきてくださいね」と話した。
UNN関西学生報道連盟
1991年に創設。関学新月トリビューン、NEWS立命通信社、関西大学タイムス、大阪大学POST、神戸女学院大学K.C.Press、神戸大学ニュースネット委員会、同志社大学PRESS、京都女子大学藤花通信、京都大学CLOCKの9大学新聞が加盟。一時は、大阪市大、奈良女子大も加盟していた。加盟団体の編集部員の不足などから2020年3月に活動停止を決議。4月にニュース配信を停止した。神戸大ニュースネット委員会、神戸女学院K.C.Press、大阪大学POSTは各大学で公認団体として活動を続けている。活動した学生の中には、全国紙や地方紙、通信社の記者・カメラマンになった人が30人を超える。
(画像:関西学生報道連盟の共同編集室があったビル。大阪市淀川区西中島4)
了
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