今年、6月21日に発生したネットワーク障害は9日間深刻な状況が続き、完全復旧までに2か月近くかかった。レポート提出の時期と重なったこともあって多くの学生に影響を与えた。情報基盤センターによると、この障害の原因は利用者とインターネットを繋ぐ「プロバイダー」部分にあったという。<塚本 光>
(画像:6月21日に発生したネットワーク障害はレポート提出の時期と重なったこともあって多くの学生に影響を与えた)
2020年6月21日、神戸大学サーバーで大幅なネットワーク障害が発生し、BEEFや「うりぼーネット」、学籍番号メールなどのサービスが使用不可になったり、遅延が発生したりした。そのため、オンラインでの授業やテストの実施、レポートの提出などに大きな影響を与えた。不具合は6月29日まで続いた。
情報基礎センターによると、原因は利用者から見てインターネット側に出ていく方向である上位ネットワーク側、つまり利用者とインターネットを繋ぐ役割をしている機関であるプロバイダー(神戸大のネットワークでは国立情報学研究所)に当たる部分の機器の不具合のよるものだと思われるという。
8月14日のメンテナンスの際、障害が発生していると思われる回線にさまざまなテストを実施したが,不具合は発見されなかったという。その結果を受けて 、障害発生時から臨時で1本外していた神戸大と国立情報学研究所をつなぐ光ファイバーを、8月17日に元の2本の構成に戻した。
6月21日に発生した障害は、6月29日の上流側での緊急メンテナンスで解消されたものと推定されていた。しかし、その時点では不具合が発生した原因を特定することはできていなかった。また、障害発生時から8月14日まで回線業者の作業も行っておらず、神戸大側の機器の状態は変更していなかった。この段階では、上流機器において発生していたエラーを解消するための、6月29日の緊急メンテナンスのみが行われていた。
兵庫県にある国立情報学研究所のネットワークへの接続の入口には兵庫県内にある国公立大学や一部私立大学や研究機関が接続しており、それらの大学などを巻き込む恐れもあったので、緊急メンテナンスにおいては障害調査・解析よりも再起動実施を優先したという。
上位ネットワーク側の機器で発生したエラーが直接通信障害と結びつけることが難しいものであったため、発生時にここが障害の原因と判断することができなかったという。
了
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