新型コロナウイルスの感染拡大、そして緊急事態宣言。街の飲食店は大きな打撃を受けている。大学周辺のお店も、客足が遠のき厳しい経営が続いている。六甲周辺の飲食店のマスター、大将、ママ、店主の皆さんは、神戸大生や教職員の来店を心待ちにしている。神戸に出てきたばかりの１年生が、一人で食べに行っても安心でフレンドリーなお店を紹介。題して、連載「ぼっちでいいから食べに来て！」。１回目はボリューム満点「ボクのふらいぱん」。

「ボクのふらいぱん」　店長・安部英彦さん

（写真下：店の前に立つ安部店長）

　ＪＲ六甲道駅南側のウェルブ六甲道２番街の１階にある「ボクのふらいぱん」（灘区深田町４?１?１）。店長の安部英彦さんが笑顔でオンラインインタビューに答えてくれた。

記者）コロナの影響は？
安部さん）神戸市の休業要請に従い、営業時間の短縮をしましたよ。学生さんが多い店なので、売り上げは減りました。Uber Eats の利用や、唐揚げやハヤシライスなどの冷凍パックのお取り寄せなんかをしました。神戸大を卒業した人が、注文してくれたりしましたね。自粛要請があけても、大学生は（全員が）登校できるわけではないので、客足は完全に戻りません。学生さんには実感がないかもしれませんが、学生を相手にしている飲食店はどこも厳しい状況です。

記者）コロナ前はどんな学生が来ていましたか？
安部さん）体育会系の学生さんも、文化系の学生さんも、来てくれてますね。特に体育会系でいうと、アメリカンフットボール部のレイバンズの子たちは、試合に来てくださいよ、と声をかけてくれてた。応援しに行ったりもしました。タオルも飾ってあるでしょ？

（写真：店内にはレイバンズのグッズが並んでいる）

記者）お店の魅力は？
安部さん）自分も詳しい冊数は分かってないですけど、たくさん漫画があります。6000冊くらいかな。あと、体育会系の子たちも満足するくらい、ボリュームにも自信がありますね。人それぞれ好みはあるけど、メニュー数も多いので、味も満足してもらえると思います。

（写真：ずらり並ぶ漫画本）

記者）なぜボリューム満点のお店にしようと思ったんですか？
安部さん）自分は、中学・高校・大学とずっと水泳をしてきたんです。そのときはいっぱい食べてました。部活帰りに大盛りの店があったらいいなって思って。だから、自分の店も大盛りメニューにしました。

記者）お店を始めたきっかけは何ですか？
安部さん）最初は山手幹線沿いの１０坪くらいのお店で、昭和６３年の６月にイタリアンパスタ専門店を始めました。３年後に、六甲の山側に、ラーメンやカレーを置いた、「ボクのふらいぱん」を開店しました。そこから学生さんがよく来るようになりました。そこから、漫画を置きだしました。料理ができるまで、お待たせしてしまうので、漫画を置いたらどうか、と言われたんです。そこからどんどん漫画が増えていきました。そのあと震災があって、ちょうど改装の時期だったんで、今の場所に移ってきました。

記者）タレントの武井壮さんも来店されていたとか？
安部さん）神戸学院大の学生だった彼は陸上の練習でたまたまこっちに来てて、うちに食べにきた。漫画も気に入ってくれてたみたいで、好きになったらしい。昔は細いイメージがあったから、有名になってから会いに来てくれた時に、変わってて驚いた。

記者）いま、神戸大生に呼び掛けたいことはありますか？
安部さん）社会はどんどん動き出していて、みんなが活動していっている。大学生は勉強もすごく大事だけど、他のこともすごく大事。だから、大学ははやく全面的に再開してあげてほしいと思う。

（写真上：フライパンハヤシ７００円。）

（写真上：元気カレー１１００円。）

（写真上：特製オムライス風ハヤシライス９００円）

（写真上：ハンバーグ７００円）

【取材メモ】
　記者も一人で食べに出かけた。ハンバーグはふっくらしていて、肉汁とトマトソースが交じり旨味たっぷりだ。座席も多く、1人で食べに行っても寂しくないのが「ボクのふらいぱん」のいいところ。自炊に疲れたとき、おいしいものが食べたいとき、お腹がすいたとき、そんなときには立ち寄りたい。店主の安部さんは美味しいごはんを作りながら、神戸大生を待っている。

（写真：厨房に立つ安部さん）

ボクのふらいぱん
●住所
〒６５７－００３８　神戸市灘区深田町４－１－１　ウェルブ六甲道２番街１階。
●電話
０７８?８５１?１９１９。
●アクセス
JR神戸線六甲道駅　南口から徒歩１分。
●営業時間
ランチ　１１：００～１５：３０
ディナー１８：００～２３：００
｛地図｝

（画像↓ インタビューはzoomで行いました。）

了