市が糞を検分 県森林動物研究センターが「イノシシでは」と判断

 11月16日朝、市民から寄せられた「鶴甲第1キャンパス付近でクマのものと見られる足跡と糞を見つけた」という情報。この情報は、神戸大から神戸市農政部に伝えられ、市の担当者が現地に出向いた。さらに、市が糞の写真画像を兵庫県森林動物研究センター(兵庫県丹波市)に送って、「イノシシではないか」という判断になったことがわかった。

 神戸市の有害鳥獣被害対策の担当は農政部計画課の計画係だ。担当課に聞くと、今回の情報を提供した市民は、年配の女性だったという。
 女性は、「足跡と糞を知り合いに見せたらクマに間違いないというから、神戸大に持ち込んだ」と話していたという。

 神戸市には11月16日当日、神戸大から情報が入った。神戸大側は場所や連絡先を足跡の目撃者から聞いておらず、詳しいことがわからないと言っていた。神戸大がここだろうという所に、神戸市の担当者が出向いた。
 そこに糞があったので、兵庫県森林動物研究センターに写真を送った。そこで「イノシシだろう」という判断が出ので、この情報を、神戸大に伝えた。

 県森林動物研究センターは、「糞は画像で見せてもらって判定した。近くにも足跡があったと聞いているが、大きさはわからない。糞の大きさからしてクマではない、クマはもっと大きい。土地柄からクマではなく、イノシシだろう。(クマの可能性が)絶対ないとはいえないが、ここ最近は、熊は六甲山辺りでの目撃情報がない」と話している。

 神戸大ニュースネットのツイートやウェブログを見た報道機関も、取材に動き、毎日新聞は16日19時すぎ、「神戸大構内に『クマの足跡とフン』と住民連絡 兵庫県『可能性極めて低い』」と、兵庫県鳥獣対策課のコメント付きで伝えた。

 こうした報道に納得いかなかったのか、翌11月17日になって年配の女性から直接、神戸市農政部に連絡が来たという。
場所について、女性は「もっと北のほうの違う場所だから現地に来てくれ」と主張したものの、市の担当者はすぐにはいけないので、「神戸大経由で写真を送ってくれ」と伝えた。
 このやりとりは17日夕方にあったが、18日になっても、女性から神戸市に連絡は来ず、写真も送られて来ていないという。

 既報の通り、六甲山系周辺でもツキノワグマとみられるクマの目撃情報がこれまでにある。
 またイノシシが突進してきて牙で傷つけられたりという被害も出ている。かわいいウリ坊の後ろに親イノシシがいる事例もある。
 いずれにしても、動物には不用意に近づかないなど、注意が必要だ。

【関連記事】「近年あいつぐ六甲山系のクマ目撃情報 イノシシにも注意」(2020年11月17日)https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/23c8ab331ea02597b093a0e55b68cb86

(写真下:六甲山系の麓にある神戸大学の六甲台キャンパス。)

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