感染症が専門の神戸大医学部の岩田健太郎教授が、「成人式には行かないで」というメッセージを1月10日付のブログに掲載した。都会に出た若者が郷里に帰り会食や飲み会で感染を広げる危険性を語りかけ、サッカーのイニエスタ選手のプレーになぞらえて、「最後の最後で判断を変えることができる」と、悲痛な「お願い」を若者たちに発信している。
(画像:岩田健太郎教授のブログのスクリーンショット。2020年1月10日)
新型コロナウイルスの感染が国内に広がりを見せる中、感染症の専門医として数々のメッセージを発信してきた岩田教授だが、今回は1月11日の成人の日を前に、「成人式には行かないで」という「お願い」のコメントを掲載した。いつもはストレートな発言で知られる岩田教授だが、やさしい文体で語りかける口調だ。
「一生一度の大事な成人式だからこそ、ここで一歩踏みとどまってもらいたい」というい岩田教授は、「年末年始に帰省した若者から、家族親戚に感染した事例が兵庫県でも複数見つかっています。確かに若者にとってはこのウイルスはほとんど「ただの風邪」でして、ちょっとした症状がでなかったり、しばしばなんの症状も起こしません。 が、皆さんのご両親や、祖父母の方々は違います」と、その理由を述べている。
集中治療室ICUに、子供や孫から感染した新型コロナウイルス感染症の患者さんが今も入院しているとしたうえで、「もし、みなさんのご両親やおじいさん、おばあさんが『あなた』が持ち込んだウイルスのために病気になってしまったら。それが理由で長くて苦しい重症治療を受け、場合によっては死んでしまったら」と語りかけ、何十年たっても、悔やんでも悔やみきれない成人式になるだろう、としている。
島根県生まれの岩田教授は、都会に出た若者が郷里に帰って感染を広げる危険性を訴えかけている。
「この100年間に人類が経験した中でも最強、最悪のウイルス」(岩田教授)という新型コロナウイルスをこの連休で広げないために、明日は集団で式に出席したり、酒の席や会食に顔を出したりして、感染を広げる行動をしないように、と説いている。
岩田教授は、サッカーJリーグ、ヴィッセル神戸のイニエスタ選手のプレーになぞらえて、「最後の最後で判断を変えることができる」と、悲痛な「お願い」を若者たちに発信している。
【岩田健太郎教授のブログ】https://georgebest1969.typepad.jp/blog/
(写真下:岩田健太郎教授。神戸大学サイトから)
了
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