大学側が学内の一部の立て看板の撤去を通告していたことに対し、「神大立て看同好会」(@kobe_u_tatekan)が11月5日、神戸大学百年記念館前で撤去に反対する座り込みを始めた。<宋允原>
(写真:神大立て看同好会が神戸大学百年記念館前で座り込みをしている現場。 2021年11月5日15時半ごろ)
これまで文学部下の神戸大学百年記念館前の石垣には10枚ほどの立て看板が並んでいたが、看板には大学からの撤去通告のビラが貼られていた。撤去は時間の問題とみられていたが、神大立て看同好会は11月5日の午前から、部長を中心に神戸大学百年記念館の前で撤去に反対する座り込みを始めた。部員たちは、「神戸大学の立て看板撤去の方針」の問題点を指摘し、撤回すべきだと話している。
大学側は10月20日午前、文化総部、体育会、応援団総部などを通じ、課外活動団体あてに「立て看板の撤去について」という文書をメールなどで送っていた。
この文書には、「敷地を管理する研究科の許諾を得ていない」、「強風等で倒れた場合、通行の妨げになる」、「(樹木の)枝や根に紐で結び付けてあり、樹を痛める可能性もある」としていて、「至急撤去してください!10月29日(金)までに撤去しない場合は、学生支援課で処分します」と通告していた。
立て看同好会の部長は「今回の大学の決定は憲法が定めている表現の自由を侵害するものだ」とし、「大学の一方的な立て看板の撤去決定は学生の表現の自由を完全に無視する決定であり、全面的に見直すべきだ」と主張している。
座り込み運動に参加している部員の一人は「今まで黙認されていた立て看板の設置が急に禁止されるようになったのは明らかにおかしい」とし「大学は今回の決定に対する十分な説明が必要だ」とした。
(写真:撤去を予告する下げ札が張られている立て看板)
今回の大学の決定には一般の学生からも憂慮の声が上がっている。座り込み運動を見ていた文学部の学生は「国の最高法規である憲法が定めている表現の自由を大学が制限するのは適切ではない」、「今回の大学の決定により、学生の活動が萎縮する恐れがある」と話す。
神戸大立て看同好会は今回の決定における大学の適切な説明と措置が行われるまで座り込み運動を続ける計画だという。部長は「今回の座り込み運動は大学の規則に反しない範囲で、学内の表現の自由が守られるまで運動を続ける」という。
10月中旬に、文化総部、体育会、応援団総部、学生学会に、学生支援課から送信された文面は次のとおり。
【注意喚起】:立て看板の撤去について
現在、大学の敷地内において、別添の写真のとおり、
立て看板(10枚)が設置されています。
敷地を管理する研究科に確認したところ、
設置に関しては一切承諾していないということです。
これらの看板が強風等で倒れた場合、通行の妨げになり、
歩行者に接触しかねません。
また、植樹してある桜の枝や根に紐で結び付けてありますので、
樹を痛める可能性もあります。
これらの看板は許可なく設置されたものですので、至急撤去してください!
10月29日(金)までに撤去しない場合は、学生支援課で処分します。
了
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