落研「六甲寄席」 3年生が有終の美を飾る

 神戸大落語研究会(落研)が12月11日に灘区民ホールの大ホールで、第56回六甲寄席を開催した。落研の3年生はこの寄席をもって引退となる。学生から高齢者まで、たくさんの観客で客席が埋め尽くされた。公演の模様は、落研のYouTubeチャンネルから視聴できる。〈佐藤ちひろ、本多真幸〉


(写真:会場となった灘区民ホールにはたくさんの観客が来場した)

 落研が12月11日、灘区民ホールで第56回六甲寄席を開催した。落研の3年生はこの寄席をもって引退する。学生から高齢者まで多くの観客が来場し、約500人収容の大ホールがほぼ満席状態となった。公演の模様は、神戸大学落語研究会のYouTubeチャンネルから見ることができる。

●神戸大学落語研究会YouTubeチャンネル=https://www.youtube.com/channel/UCSKu2wKK0IWv_NCnypH4vHA
 
 
 六甲寄席は、5つの演目と大喜利で観客を楽しませた。

 第1演目は、拡益亭旺頼(おうらい)(営・3)による「粗忽の釘」。粗忽者の亭主が、長屋の薄い壁に間違えて長い釘を打ってしまって騒動になるという噺で、亭主が慌てる様子を熱演した。


(写真:亭主が慌てる様子を熱演する拡益亭旺頼〈おうらい〉〈営・3〉)

 

 第2演目は、可愛家とかち(国人・3)による「ちりとてちん」。女将と芸者のひなづるが、知ったかぶりをする芸者きねづるをぎゃふんと言わせようと画策する噺だ。芸者の大げさな口調や表情を見事に表現した。


(写真:芸者の大げさな口調や表情を見事に表現する可愛家とかち〈国人・3〉)

 第3演目は、甲家曳砂(ぴくさー)(農・3)による「壷算」。買い物上手な男が、店主を騙して壺を安く買おうとする噺だ。客に騙される店主の混乱ぶりを大きな動きで表現した。


(写真:客に騙される店主の混乱ぶりを大きな動きで表現する甲家曳砂〈ぴくさー〉〈農・3〉)

 仲入り後は大喜利が行われた。甲家破安(はあん)(営・2)が先生役、個性豊かな1年生5人が回答者となって、観客に笑いを届けた。


(写真:左から、甲家透歩〈とうふ〉〈工・1〉、みなと家どりい〈済・1〉、甲家破安〈営・2〉、甲家伐天〈ばってん〉〈工・1〉、甲家頓併〈とんぺい〉〈国人・1〉、拡益亭斜凜〈しゃりん〉〈理・1〉)

 第4演目は、甲家志久(しっく)(済・3)による「ろくろ首」。独身の男が、夜になると首が伸びてしまうという娘とお見合いをする噺で、早口の長台詞を完璧にこなした。


(写真:早口の長台詞を完璧にこなす甲家志久〈しっく〉〈済・3〉)

 

 最終演目は、落研第56代会長のみなと家はろう(工・3)による「七度狐」。2人組の旅人が、一度仇を受ければ相手を七度化かして仕返しする「七度狐」に化かされる噺で、今回の六甲寄席のトリを飾った。


(写真:トリを飾ったみなと家はろう)

 

 演目の合間には、前会長の甲家問廊(もんろう)(営・4)による演者紹介が行われた。


(写真:ひねりの効いた演者紹介を披露する前会長の甲家問廊〈もんろう〉〈営・4〉)

 寄席を訪れた一般客は「学生が元気よく熱演する姿に元気をもらった。それぞれの演目が楽しかった。来てよかった」と話した。
 また、かつて落研に所属していた学生(済・3)は「『よう頑張った』と思った。落語だけではなく、三味線などの鳴り物も頑張っていると感じた」と語った。

 会長のみなと家はろうさんは、「大変な時期にも関わらず沢山のお客様に来場して頂き、また満足の声も多く聞き、嬉しい限りでした。是非これからの神大落研にもご期待下さい。」と話し、寄席を終えての想いとこれからの意気込みについて語った。

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