3月25日、神戸大の学位記授与式(卒業式)が、ワールド記念ホールで行われた。感染者数の高止まりが続く中での式典となったが、学部2630人、大学院修了者1183人が無事卒業した。藤澤正人学長は式辞で、「皆さんが結束した力が神戸大学の発展にとっては、いつまでも大きな力として必要であることを、どうか心にとめておいてください。」と訴え、修了生代表は「神戸大学での研究を糧にこれからはそれぞれが選んだ新たな道で飛躍を目指して精進していく所存です。」と決意を述べた。新型コロナ感染拡大防止のため、保護者は参列できず、式の模様はオンラインで配信された。<塚本光・佐藤ちひろ・笠本菜々美>
(写真:学位記を授与される卒業生 2022年3月25日午前 神戸市中央区のワールド記念ホールで )
▼YouTube神戸大学公式チャンネル「神戸大学令和3年度学位記授与式」= https://www.youtube.com/channel/UCZ-tOszr0rJoQnz7l8Er8Gw 。
3月25日、まん延防止等重点措置は解除されたものの、感染者数の高止まりが続く中だが、令和3年度の学位記授与式(卒業式)が神戸市中央区の神戸ポートアイランドホール「ワールド記念ホール」で行われた。
春の訪れを感じる暖かい青空の下、式の開始前に、会場の内外で写真撮影や談笑を行う卒業生の姿が多く見られた。
令和3年度(2021年度)の学部卒業生は2630人、修士課程・博士課程前期課程・専門職学位課程の修了者は1183人。
昨年に引き続き、保護者の参列はできず、大学院修了生は総代と各専攻の代表者2人のみが参加し、卒業生は間隔をあけて着席した。
(写真:学長から学位記を受け取る人間発達環境学研究の総代 2022年3月25日午前 ワールド記念ホールで )
まず、式の初めに、12学部と15研究科の代表が順に呼ばれ、他の卒業生が起立する中、学長から学位記(卒業証書)が授与された。
(写真:卒業式では就任してから初めての式辞を述べる藤澤正人学長 2022年3月25日午前 ワールド記念ホールで )
卒業式の式辞を述べるのは、学長に就任してから初めてとなる藤澤正人学長は、修了者の中にウクライナ出身の学生がいることにも触れ、「1日も早い停戦と平和がやってくることを願うばかりです。そして、今日の大学院修了を家族の皆さんと、お祝いできる日が早く来ることを祈っています」と、語った。
また、学生生活の半分近くをコロナ禍で送った卒業生に対し、「苦難の時代に生き、偶然、経験したさまざまなことをポジティブにとらえ、これからの未来を切り開く力として活かしていただきたいと思います」とエールを送った。
そして、式辞の最後では、卒業生、在校生、教職員、保護者が交流し、一丸となって大学を支援し、社会に貢献する組織として「神戸大学校友会」を近いうちに設立することも発表した。
(写真:アクリル板越しに答辞を述べる学部卒業生代表。2022年3月25日午前 ワールド記念ホールで )
卒業生代表の松本さん(工)は答辞で、「目の前の壁一つ一つが私たちを、自分を、より成長させ、強くしたと感じています」と学生生活を振り返り、最後には先生や仲間や家族への感謝も述べた。
修士1年の時に新型コロナの流行が始まった大学院修了生代表の寺町さん(理学研究科)は、「学部生の頃に当たり前だった研究環境は一変しました。一時は大学での研究も叶わず、自宅待機を余儀なくされました。それでも満足に研究を続けることができたのは、教職員の方にご尽力いただいたからに違いありません。」「コロナ禍という逆境においても、多くの人に支えられ、結果に一喜一憂しながら研究に向かい続けてきました。これらの日々は何事にも変えられません」と振り返って感謝の気持ちを語った。
(写真:答辞を述べる修了生代表。 2022年3月25日午前 ワールド記念ホールで )
式の最後には、応援団がエールを送り、会場は拍手に包まれ、式は幕を閉じた。
(写真:卒業生にエールを送る応援団員 2022年3月25日午前 ワールド記念ホールで)
式が終わった後、会場の外では、最後の別れを惜しむ多くの学生の姿がみられた。
(写真:神戸大大学院を卒業するウクライナ出身のコツァー・ユリーさん 2022年3月25日午前 ワールド記念ホールで)
大学院で物理学を学んだウクライナ出身のコツァー・ユリーさんは、「学長と話して卒業式に出席する機会をいただいた。コロナ禍なので、参加できると思わなかった」と話す。ウクライナに住むユリーさんの家族は、キエフに残りたかったが、西ウクライナに移動したという。今の気持ちを聞くと、「日本に1人だけいるのはまずいのではと言う気持ち。できることは少ないが、応援している。最近は放送局でアルバイトをしていてウクライナに関するニュースの翻訳をしている。ウクライナのメッセージを日本に適切に、正確に伝えたい」と祖国への思いを語った。
大学院に進む予定だという学生(工)はコロナ禍で過ごした2年間について、「毎日大学に行くと言う習慣が薄れ、同級生との交流がもちづらかった。教育スタイルが変化しているので、それに対応しなければいけない」と話した。
上下鮮やかなオレンジのスーツを身にまとった学生(営)は、「この服は大学のイベント『THE Campus KOBE』のエントリー写真で使ったもの。思い出のものなので、今日着てきた」と語った。また「神戸大では色々なことを経験させてもらったので、感謝の気持ちがある。所属していたラグビー部の仲間との交流が1番の思い出」と大学生活を振り返った。
(写真:硬式野球部でキャプテンを務めた学生 2022年3月25日午後 ワールド記念ホールで)
硬式野球部のキャプテンを務めた学生(海)は、「最後秋リーグで優勝できたことが大学生活1番の思い出」と話し、オンライン授業が続いたことに関しては、「同級生と一緒に授業を受けて、もっと遊びたかった」と語った。
▼YouTube神戸大学公式チャンネル「神戸大学令和3年度学位記授与式」= https://www.youtube.com/channel/UCZ-tOszr0rJoQnz7l8Er8Gw 。
《令和3年度 神戸大学卒業者・修了者数》
文学部 110人
国際文化学部 6人
発達科学部 7人
国際人間科学部 383人
法学部 197人
経済学部 255人
経営学部 255人
理学部 170人
医学部 279人
工学部 590人
農学部 177人
海事科学部 201人
修士課程・博士課程前期課程・専門職学位課程
人文学研究科 43人
国際文化学研究科 42人
人間発達環境学究科 80人
法学研究科 21人
経済学研究科 60人
経営学研究科 44人
理学研究科 107人
医学研究科 11人
保健学研究科 69人
工学研究科 314人
システム情報学研究科 74人
農学研究科 120人
海事科学研究科 73人
国際協力研究科 26人
科学技術イノベーション研究科 36人
専門職学位課程
法学研究科(法科大学院)61人
経営学研究科 2人
了
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