7月10日、六甲台第1キャンパスで「七夕祭」が3年ぶりに対面開催された。今年は新型コロナ対策のもと、来場者を神戸大生に限定して実施された。七夕祭名物の六甲台本館のステンドグラス装飾やステージ企画、キャンドルアート展示などが実施された。主催者によると今回の総来場者数は約1300人だった。<笠本菜々美、尾畑陽貴、奥田百合子、久保田一輝、島袋舜也>
(写真:3年ぶりの対面開催で多くの来場者で賑わった七夕祭 六甲台本館前で)
今回で17回目を迎える神戸大学「七夕祭」は、新型コロナ対策を実施して、3年ぶりに対面で開催された。2020年と2021年は新型コロナ感染拡大の影響でオンライン開催だった。
今年の総来場者数は主催の神戸大学ベルカン(神戸大学 六甲台学生評議会、法・経済・経営学部ゼミ幹事会)によると、約1300人だった。
今年のキャッチコピーは「祭能開花」。会場となった六甲台第1キャンパスでは、ステンドグラス装飾が施された六甲台本館のライトアップやステージでのパフォーマンス、お化け屋敷などの室内企画、キャンドル制作などの屋外企画、会場を彩る様々な装飾など、盛りだくさんの内容で来場者を楽しませた。今回は、新型コロナ対策のため、食べ物の提供は禁止となったが、飲み物の提供や神戸市内のラーメン店とコラボしたスタンプラリー企画が実施された。
(写真:七夕祭の装飾で彩られた神戸大正門の大階段)
16時の開場前から、神戸大正門前には多くの学生が列を作っていた。大階段に描かれた色鮮やかなアートをのぞき込み、早く会場内に入りたいとわくわくしている学生の様子が見られた。入場する際は、検温、消毒、学生証の確認といった新型コロナ対策が実施されていた。
(写真:神戸大正門前で七夕祭の開場を待つ学生たち。)
六甲台本館内では、お化け屋敷「戦慄猪迷宮」や「リアル脱出ゲーム」などの室内企画が行われた。小物や道具によって大教室が大幅にアレンジされ、普段講義が行われている教室とは思えないような、それぞれのテーマに合った雰囲気が作り出されていた。
お化け屋敷「戦慄猪迷宮」では、暗い大教室の中に張り巡らされた仕組みに、訪れた学生が悲鳴を上げていた。スタッフを務めた学生は、「自分が仕掛けた仕組みで来場者が驚いたり、叫び声を上げたりしていてやりがいを感じた」と話した。また、お化け屋敷を体験した学生2人組(文・4と理・3)は、「想像より怖かった」と語った。
例年は他の学生からも当日スタッフを募集しているが、今回の七夕祭では、神戸大生に限定して、スタッフを募集した。お化け屋敷「戦慄猪迷宮」で来場者を脅かす役を務めた学生スタッフ(法・2)は「友人から誘いがあり、楽しそうだと思ったので参加した」と語った。また、「大学生らしいことをしたかった。学園祭に携わってみたいと思っていた」と話す学生スタッフもいた。
また、会場には各スポットに会場装飾やキャンドルアート、笹飾り、灯篭アート作品などが設置され、来場者を魅了した。
法学部第2学舎前には『傘玉幻想』と題されたビニール傘を用いて制作された灯篭アート作品が展示されており、その周りを囲むように赤いキャンドルが置かれていた。日が沈みつつある頃に、ライトアップが始まると、作品の周りにはたくさんの人が集まり、写真を撮って楽しんだ。また、会場には笹も設置されており、各々の願い事を書いた短冊を吊るす学生もいた。
(写真: 灯篭アート作品『傘玉幻想』を撮影する来場者 法学部第2学舎前で)
(写真:笹に吊るされた願い事が書かれた短冊 法学部第2学舎前で 来場者提供)
作品を鑑賞していた学生(工・3)は「アートを傘で作ったというのが凄い。キャンドルも綺麗で、とても写真映えする光景だと思う」と話し、一緒に来ていた学生(工・3)は「短冊には『落単しませんように』とお願いした」と語った。
また、カンボジアからの留学生(修士1年)は「アート作品はすばらしかったし、七夕祭はとても面白かった。日本語で短冊を書けないのが残念だ」と語った。
(写真:願いを書いた短冊を笹に吊るす人たち 法学部第2学舎前で)
キャンパス内の階段や通路も七夕の世界をイメージした、学生手作りのランプシェードで飾られていた。
(写真:六甲台本館裏階段に置かれたランプシェード)
七夕祭では2つのステージで様々なパフォーマンスが行われ、観客を魅了した。出光佐三記念六甲台講堂前の彦星ステージでは、軽音学部ROCKや軽音Ⅱ部、マンドリンクラブ、Ghanna Ghannaによる演奏が披露された。
もう一つのステージである六甲台本館前の織姫ステージでは書道部によって書道パフォーマンスが行われた。また、ダンスサークルEtoileが乃木坂46やTWICEの曲に合わせてダンスを披露し、クラシックギター部の演奏も見られた。
(写真:六甲台本館前のステージで優里の『ペテルギウス』に合わせてパフォーマンスを行う書道部)
(写真:六甲台本館前のステージでTWICEの曲に合わせて踊るダンスサークルEtoile)
「夏のバラエティ王決定ダービー」では、4人の挑戦者が劇場型アクアリウム「アトア」のペアチケットを懸けて、はてなBOXや%あてクイズなどに挑み、ミニオンのコスチュームに身を包んだヒグノジェネシスさんが見事、優勝をつかんだ。
(写真:%あてクイズに挑戦する「ダービー」出演者たち 六甲台本館前のステージで)
七夕祭終盤には七夕祭の風物詩であるステンドグラス装飾が施された六甲台本館の点灯式が行われた。ステージからの掛け声で観客がカウントダウンすると、六甲台本館の窓のステンドグラス装飾が一斉にライトアップされ、会場は大きな盛り上がりを見せた。
(写真:ライトアップされたステンドグラス装飾が施された六甲台本館)
ライトアップされた六甲台本館を見た学生(営・1)は「ステンドグラスが綺麗だった」と語った。また、他の学生(法・2)は「授業日でも、六甲台のキャンパスにこんなに学生がいることはないので不思議な感じ。さまざまなブースが並んで、がやがやと活気のある夜のキャンパスはとても新鮮」と七夕祭の非日常の空間を楽しんだと言い、「飾り付けられたキャンパスも、夜景もとてもきれいだった。ステンドグラスの絵がとても細かくカラフル。今日来ていない人にも見てほしいので、ずっとこのままでもいいくらい」と語った。
最後に行われた「浴衣美人企画」では、5人の出演者が色鮮やかな浴衣に身を包み登場した。自身の特技やチャームポイントなどについて話し、自身のサインボールを観客に投げ込んで、会場を盛り上げた。
(写真:サインボールを投げる「浴衣美人企画」の出演者たち)
七夕祭に携わった学生スタッフは「お客さんがたくさん来てくれたので、今回の七夕祭は大成功だったと思う」と語り、達成感を見せた。
七夕祭総責任者の石田紘俊さん(済・3)は、「浴衣で来てくれる人の姿を見て、対面で実施できて良かったと思った」と話し、開催に向けて大変だったことについては、「コロナの影響でフードの販売が禁止になった。ドリンクの販売は大学と交渉の結果、許可が下りたが、この交渉に苦戦した」と語った。また、来場者に対しては「暑い中お越しいただきありがとうございます」と感謝の意を表した。
了
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