4329人が入学 式は保護者も参加し4年ぶりに本来の姿に

 2023年度の入学式が、4月4日午前、神戸市中央区のワールド記念ホールで行われた。学部2588人、大学院博士前期課程1171人、同後期課程306人、法科大学院と経営学専門職学位課程140人、編入・転入学生124人、計4329人が新たなステージでの生活を始めた。また、コロナ禍の中、海外からの留学生327人が入学した。今年は4年ぶりに保護者の参加やマスクなしでの演舞などが可能となった。高校入学時に新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、高校の入学式など多くの行事が中止となった「フルコロナ世代」の人も多かった。<笠本菜々美・尾畑陽貴・塚本光・奥田百合子>

(写真:座席を間隔を空けずに着席し、開式を待つ新入生 2023年4月4日 ワールド記念ホール)

 神戸大の入学式が4月5日、ワールド記念ホールで行われた。

 雲一つない快晴の朝、新入生は、大学生活への希望に溢れる表情で、入学式を迎えた。今年は4年ぶりに、式典には家族1人が参加でき、2階席にも多くの人が着席していた。また、式典の映像は、神戸大学YouTubeチャンネルで同時中継された。

 ポートライナーの市民広場駅から会場まで、長い列ができていた。ホールの入口前では、学ラン姿の応援団員や応援団チアが混雑回避のため写真撮影を遠慮するよう呼びかけていたが、親子・友人同士で記念写真を撮る姿も多く見られた。

 新型コロナウイルスによる制限も緩和され、今年は間隔を開けずに着席していた。また、卒業式までは、演台にアクリル板が設置されていたが、それも外されていた。マスクは個人の判断だったが、学生のほとんどが着用していた。

 藤澤正人学長は式辞で、「皆さんは、これから大学において、自らが選んだ自己の専門分野の学びを深め、自己研鑽に励まれることと思いますが、決して自分の領域だけにこだわらず、多岐にわたる先端研究や教育に触れる機会を持ち、広い視野と豊富な知識で物事を俯瞰して、自分の研究を深め、傑出した新しい技術や価値を、創造して社会に還元できる人材に成長して頂きたいと思います。そのためには、自ら切磋琢磨し、時代の潮目を読みながら、未来を思考する鋭い感造的な実行力を高めてください。そのためには、学生生活において、できる限り、様々な環境に身を置き、活動し、出会いを大切にし、多様な人とのコミュニケーション能力をしっかりと養い、自分とは異なる価値観を持った様々な人の考え方や行動を受け入れ、自己研鑽することが大切であると思います。多様な背景や経験を持つ人々の集団のなかで、交流することにより、感性と人間力を磨き、成長していってください。また、自分ひとりの力で対処できない難題に直面したとしても、また、逆境に置かれたとしても、周りにいる人のカや知恵をかりてかいけつしていくことが、自己の人間的な成長につながります。苦境や逆境は、常に皆さんに成長を与えてくれるものです。苦境・逆境という状況をネガティブなものと単純に判断するのではなく、自分にとって『大切な機会』であると考え、自分の成長に生かしてください。」と新入生を激励した。

(写真:式辞を述べる藤澤学長)

 文学部の大道心音さんが、入学生総代宣誓を行い、「神戸大学の文学部では、何かわからないけど引き込まれるものを『過剰なもの』と位置付けている。大学ではこの『過剰なもの』と出会い、学問の素晴らしさに気付きたい。将来、高等学校の教員になることを目指しているので、子どもたちが過剰なものと出会う手助けをしたい。様々な社会問題を自分ごととして社会を批判的、主観的に捉え、様々な学問領域と協働していきたい。」と、文学部らしい表現で抱負を語った。

(写真:宣誓を行う入学生総代の大道さん)

 記念講演では、理学研究科出身(1982年修士課程修了)で、元気象庁長官の橋田俊彦横浜国立大学客員教授が登壇。「人と地球と 共に物語を紡ごう」という演題で新入生を激励した。

 橋田さんは、3つのテーマをもとに話し、まず、持続可能性については「現代社会では地球温暖化をはじめ、様々な環境問題が私たちを取り巻いている。世代間の不公平が生じてしまっているが、将来の人たちが影響を受けるので、若い世代ほど第一に環境問題を考えなくてはならない。将来のニーズを損なうことなく、現在の課題も解決していくことが求められる。」と若い世代に訴えかけた。そして、学びについて、「深く学んで広く探索することが大切だ。ある分野を長く続けて弛まず努力していくことで専門性が得られる。先生をもち、鳥の目、虫の目、魚の目、蝙蝠の目と呼んでいる幅広い視野で学問に取り組んでほしい。」とメッセージを送り、夢については、「自分が主人公となって物語を演じ、味わい、また新たなストーリーを紡いでいってほしい。夢は素朴なものであっても良く、夢から湧き出てくるエネルギーが行動の原動力となる。」と語った。

(写真:記念講演を行う橋田さん)

 インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター保健管理部門長は、「心と体の健康管理について」というテーマで、新入生に健康診断のお願いや飲酒や薬物の注意を伝えた。

 ステージでは、応援団総部の応援団とチアと吹奏楽部による新入生応援演舞が行われた。声出しも解禁されているため、会場は応援団の指示に合わせた新入生の掛け声や手拍子と拍手に包まれ、盛り上がった状態で式は終了した。

(写真:演舞を行った応援団)

 今年の新入生は、高校入学時に新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、高校の入学式など多くの行事が中止となった「フルコロナ世代」の人も多かった。

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