神戸大六甲台第2キャンパスにある自然科学系図書館が4月3日、1年4ヶ月の改修期間を経て開館した。開館前にセレモニーが行われ、藤澤学長と土佐附属図書館長があいさつした。テープカットの際は、集まった学生や大学関係者から拍手が沸いた。セレモニー後は改修・増築された学習スペースや書庫が紹介され、それらを学生たちがさっそく利用する姿が見られた。<本多真幸>
4月3日13時、神戸大六甲台第2キャンパスの神戸大学附属図書館の自然科学系図書館が2021年12月から2023年3月までの約1年4ヶ月の改修期間を経て開館した。開館前には、リニューアルオープン記念式典が玄関前で行われた。式典で藤澤正人学長は、「本図書館で信頼ある研究基盤資料の裏付けの下、対面・オンライン・ハイブリッドの共創空間を活かした教育研究活動の取り組みがよりいっそう活性化することが期待される」とあいさつした。土佐幸雄附属図書館長は、「当館は神戸大の附属図書館の中で社会科学系図書館に次ぐ大きさであり、みなさんに大いに利用していただけるものと期待している」と述べた。関係者によるテープカットが行われると、図書館前に集まった大勢の学生や大学関係者などから拍手が沸いた。
開館後は、関係者に対して施設の紹介が行われた。4階には中心部の広いオープンスクエアのほか、70-90人規模を収容できるイノベーションスタジオや、小規模のディスカッションやプレゼンに使える3部屋のコラボレーションルーム、窓から大阪方面を一望できるホワイエがある。
3階は自習スペースのほか、オンライン会議につかえるポッドがある。ラーニングコモンズは机と椅子がある一方、畳の和室スペースもある。
2階は開架閲覧室で、中心には屋根のない吹き抜けの中庭がある。
1階には出入口とサービスカウンター、また雑誌のバックナンバーが置かれている。附属図書館のマスコットキャラクター「うりこ」が描かれた、記念シール全8種が配布されていた。
収容数の規模は、神戸大の附属図書館の中で、社会科学系図書館の収容力136万冊に次ぐ2番目の大きさだという。改修で15万7千冊を収容可能な書庫を増築したため、従来の書庫と合わせて35万冊の資料を収容可能。また、附属図書館全体の共同利用書庫として約8万6千冊のスペースがあるほか、神戸大学文書史料室の書庫として1万5千冊の資料を保存できる。
開館後、さっそく利用する学生たちの姿があった。自習スペースで読書をする人や、ラーニングコモンズで議論をする学生たちが見られた。工学部の男子学生は「自習スペースの席数やコンセントの数が増えていたのが良かった。なにより綺麗。カフェみたいな雰囲気」と、改修前との違いに驚いた様子だった。国際人間科学部の女子学生は「勉強しながら友人と話せる場所が多いのが素敵。」と自習スペースの大きさに感動していた。
自然科学系図書館は、姫路高等学校、姫路工業専門学校、兵庫県立兵庫農科大学からの流れを汲む理学部、農学部、工学部の各図書館を統合して1984年に現在地に設置された。
老朽化した施設の改修や資料の収容力強化、ラーニングコモンズなどの学習スペース整備の増築のため、2021年11月30日で閉館し、12月から改修、増築工事が行われていた。工事期間中、図書館内の蔵書は利用できなくなっていたが、一部は社会科学系図書館や人文科学図書館の臨時資料コーナーに移転されていた。いずれも今年3月に終了した。
了
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