フィギュアスケート近畿選手権のシニア男子フリーの演技が10月1日、木下カンセーアイスアリーナで行われた。前日のSPで首位だった壷井達也(国人3年、シスメックス)は総合232.09点で、2位の織田信成(大阪スケート倶楽部)を僅差で上回り、初優勝を決めた。しかし、2本目の4Sで転倒した悔しさもあり、決して明るい表情ではなかった。壷井は、「練習でできていることを本番で出すのに苦労している」と語った。<本多真幸>
(写真:フリーで演技中の壷井達也。2023年10月1日12時30分頃、滋賀県大津市の木下カンセーアイスアリーナで撮影)
9月28日から10月1日にかけて、滋賀県大津市の木下カンセーアイスアリーナで開催されているフィギュアスケート近畿選手権、シニア男子フリー(FS)の演技が10月1日に行われた。
前日のSPで首位に立った壷井の滑走順は、14人中最後。フリーの楽曲はNathan Lanierの”High Strung Torn”で、振付師はマッシモスカリさんだった。
ジャンプでは2本の4回転ジャンプを予定していた。1本目の4回転サルコウは着氷時に地面に手を付けつつも成功させたが、2本目は転倒して減点されてしまう。しかしその後は目立ったミスなく立て直し、最後のスピンは最高評価のレベル4だった。演技終了直後には観客から大きな拍手と声援が送られた。得点は151.02点(技術点78.46、演技構成点73.56)でフリー2位だった。
一方、2006年の四大陸選手権優勝者で、昨季、9年ぶりに現役に復帰した36歳の織田信成(大阪スケート倶楽部)が、フリーでは4回転トゥーループを成功させるなどノーミスの演技。フリーで1位となり壷井を猛追する。
しかし壷井は総合得点232.09点で、2位の織田を約2点の僅差で上回り、初優勝を決めた。
(写真:表彰式で賞状を手に笑顔を見せる壷井(中央)。左は僅差で2位につけた織田信成。2023年10月1日12時47分、滋賀県大津市の木下カンセーアイスアリーナで撮影)
2度目の出場で初優勝を決めたものの、壷井の表情は厳しかった。4回転を2本ともノーミスとはいかず「悔しい気持ちでいっぱい。ここで出し切りたかったが、難しい場面が多かった」と語る。朝の練習時の感覚では跳べていたのに、本番直前の練習ではうまく合わなくなってしまっていた。自身の抱える課題について「昨シーズンに比べると練習では安定感がある。今年は練習でできていることを本番で出すのに苦労している」と述べた。
この近畿選手権を皮切りに、2023ー2024シーズンが本格的に始まっていく。近畿選手権の出場予定選手15人のうち17人が西日本選手権に進出するが、壷井はすでに西日本選手権の免除が決まっているため、12月に長野県で行われる全日本選手権に、3年連続での出場が確定した。
また、壷井はグランプリシリーズの第1戦、10月20日(金)~22日(日)にアメリカのアレンで行われるスケートアメリカと、第6戦の11月24日(金)~11月26日(日)に大阪市の東和薬品RACTABドームで行われるNHK杯への出場も決まっている。
壷井は、「シニア2年目で結果が求められてくる。日本男子のレベルも上がってきているので、そこに食らいつけるように日々練習していきたい」と力を込めた。
(画像:近畿選手権シニア男子フリーの順位表)
(画像:近畿選手権シニア男子の総合の順位表)
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