30回目の灘チャレンジ 学生と地域が1.17を伝える

 9月15日、灘チャレンジが都賀川公園で開催された。灘チャは、阪神・淡路大震災の復興祭として始まった祭りで、今年で30回を迎える。クレープや衣類などを販売する模擬店やビンゴなどの企画が行われる一方で、大震災や都賀川の水難事故を伝える展示もあり、幅広い年代の来場者が訪れた。実行委員長は、「お祭りを通して活気や温かさを感じてほしい」と話した。<奥田百合子>

(写真:模擬店が立ち並んでいる。2024年9月15日12時38分。以下、すべて都賀川公園で撮影)

 灘チャレンジが、9月15日の11時から16時に都賀川公園で開催された。灘チャは、神戸大のボランティアサークルである灘チャレンジ実行委員会が、地域の人びとと協力して運営している。今年で30回を迎える。

 開始直後は雨天が危ぶまれ、ステージプログラムで最初に予定されていた「たんぽぽアフリカン」によるアフリカンドラム演奏が中止となった。しかしその後はステージ企画、模擬店は予定通り実施された。

▼模擬店

 クレープやフランクフルトなどのフード販売や、灘チャレンジ実行委員会による子ども向けのミニゲームなど様々な企画が行われ、17の模擬店が出店した。

 震災後すぐから灘チャレンジと関わりがあるという、ボランティアグループ・ほほえみ灘班は、家にあるほとんど使わなくなった衣類や日用品を持ち寄って販売していた。スタッフは「自分で(商品に)値段をつけて持ってきても、他のメンバーに(その値段では売れないと)値下げされる」と笑った。代表の丸谷さんは、「(灘チャレンジの)学生さんがしっかりやってくれていて、(地域と)つながっている」と話した。

(写真:ほほえみ灘班のメンバー。2024年9月15日12時56分撮影)

 神戸大の地域密着型サークル・にしき恋はクレープを販売していた。スタッフによると、おすすめメニューである「黒蜜きな粉わらびもち」が大人気だったという。

 神戸市で、身近な材料を使って科学の楽しさを伝えている「たけのこさいえんす」は、灘チャレンジに毎年出店しているという。スライムづくりとキーホルダーづくりの体験ブースを出店した。祭りに参加した小学生からは「スライムづくりが一番楽しかった」という感想もあった。

(写真:おもしろ実験ワークショップの様子。2024年9月15日14時37分撮影)

▼展示企画

 都賀川公園の隣にある灘区民ホールでは、2008年7月に発生した都賀川水難事故に関する展示があった。これは、「7月28日を『子どもの命を守る日』に実行委員会」が作成したもので、当時の都賀川の様子や事故後の対策などを文字と写真で説明した。

 また都賀川公園では、阪神・淡路大震災の記録写真展や、能登半島地震後の学生震災救援隊によるボランティア活動の記録写真の展示がされた。

 阪神・淡路大震災の写真展では、林直光さんが撮影した震災直後の被害状況や当時の被災者の様子を写した写真が展示された。主催した「被災地に学ぶ会」代表の藤室玲治さんは、「(震災直後に都賀川で洗濯する女性の写真を見て)70歳くらいの女性が『この川で洗濯したことあるわ』と話している方がいた」という。「当時小学生だったお母さんが子どもに教えるなど、家族が(震災について)話すきっかけになっている」と話した。

(写真:阪神・淡路大震災の記録写真「都賀川公園で罹災証明をもらうために並ぶ人々」)

(写真:都賀川公園のトイレの様子。30年前の写真から変わらない。2024年9月15日14時58分撮影)

▼実行委員が着用したお揃いのTシャツ

 Tシャツのデザインを考案した実行委員の西本こころさんは、「今年の灘チャの中で、30年というのが大きい。過去を振り返れるようなお祭りになったら良いなと思って。展示とか写真物が多いから、カメラにしました」と話した。

(写真:実行委委員が着用したTシャツ。2024年9月15日13時30分撮影)

▼ステージプログラム

 模擬店PRや、神大モダン・ドンチキによるちんどんショーなどが実施された。ステージ進行では、手話サークルぺんぺん草が手話通訳をした。

 ステージプログラムの最後には、実行委員会によるビンゴ大会が行われた。最初にビンゴした男性は1等のアトアペアチケットを受け取り、「追加料金を払って、子どもたちと行きたいです」と笑った。

(写真:ビンゴ大会の様子。2024年9月15日15時22分撮影)

▼実行委員への思い

 30年前から、社会人として灘チャレンジに関わっているという矢野さんは「僕は長く関わっているけど、(コロナの影響などで)学生はノウハウがない。学生を尊重しながら、サポートしていくのが大変だった。しかし、震災の後に生まれた学生が関わって、伝えていこうとしている気持ちがうれしい」と話した。

▼実行委員長のコメント

 委員長を務めた佐藤春奈さん(国人・3)は、「思ったよりもお客さんが来てくれた。子どもが、ベンチに並んでかき氷を食べているのが可愛かった」と話した。続けて「一番時間をかけたのは、バックステッカー(ステージの後ろにある横断幕)です。布を縫うところから始めたから7日間くらいかかりました。最初の実行委員長挨拶では、今年のテーマ『灘の温かさ、再発見』のとおり、お祭りを通して活気や温かさを感じてほしいと話しました」という。

 阪神・淡路大震災の復興祭として始まった灘チャレンジ。来年の1月17日には、大震災が発生してから30年が経つ。

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灘チャレンジが9月15日(日)に都賀川公園で 1.17の復興祭(2024年9月14日 神戸大学ニュースネット委員会)

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