関西学生アメフットリーグ最終日、関学対神戸大戦が西宮スタジアムで行われた。すでにリーグ優勝を決めている関学が、36-0と神戸大を完封。四年ぶり四十回目の甲子園ボウル出場を決めた。立命は京大を下し二位。【十一月二十四日 UNN】
関学が単独優勝を決めた瞬間、スタンドでは紙テープが舞った。しかしスタンドの喜びとは対照的に、グラウンド上での選手の表情は一様に暗かった。抱き合って喜びを表す姿は全く見られない。
試合は開始直後から膠着状態になった。試合の均衡を破ったのは関学。RB花房がゴールラインを割り、先制のTDをあげる。しかしTFPを失敗、第1Qは6-0。 第2Qに入ると関学は相手のファンブルから攻撃権を得る。これをRB島野がTDし、確実に得点に結びつける。前半終了の直前にはK太田がFGを決めて、16-0と関学がリードを広げ、前半を終了する。
第3Qの開始早々、関学はミスで攻撃権を失う。その後も関学はゴール1ヤード前までボールを進めながら、ファンブルするなど痛いミスが続く。しかし神戸大は流れを呼べず、第3Qは互いに無得点。
第4Q、関学はLB梅田が神戸大のファンブルからTDに結び付けるなど3TDをあげ、36-0と完封勝ちをおさめた。
鳥内監督は「優勝は前の試合でほぼ決まっていたから、今日は勝ち方にこだわろうと思っていた。今日は相手ディフェンスにまどわされていたし、いらんミスが多かった」と冷静。
K太田は「今日はオフェンスのしょうもないミスがあってすっきりしない。(甲子園に向けては)相手がどこでも与えられた仕事をするだけ」。浮かない顔だった。
QB高橋は「一から出直しですね。(リーグ戦を振り返ってみて)オフェンスが思うように進まなかった。今日は僕自身が最悪。このままだと甲子園には恥かきに行くだけです」と厳しい表情で語った。
一方、神戸大の矢野ヘッドコーチは「ボロ負け。相手はディフェンスがよかった。中島(RB)がつぶされるとウチはきつい」と試合を振り返った。しかし、神戸大は今季1部リーグに昇格し、いきなり京大を撃破。大いにリーグを盛り上げた。近大とならび四位でリーグを終えた闘将は「もっと勝てた試合もあった。1部でもやれる自信がついた。来年はもっと上をねらう」と、あくまで貪欲だった。
第二試合、立命対京大は立命が33-20で京大に勝利。通算六勝一敗の二位でリーグ戦を終えた。
今日の第一試合で関学が神戸大に圧勝した瞬間、すでに一敗していた立命の優勝と甲子園ボウル行きが消えた。優勝が絡まない京立戦。しかし「最初から気持ちは切り替えていた」と平井監督が語ったように、第一QからK松本のFGやRB樫野のTDで幸先よく十点を先制。第二Qには三点差に詰めよられたものの、追いすがる京大を振り切った。
京立戦と言えばここ三年間、優勝を決める重要なカードだったが、今年は結果的に消化試合のようになってしまった。久しぶりに京大から勝ち星をあげたものの「京大への苦手意識を払拭するような勝ち方ではなかったな」と平井監督は不満げ。卒業する樫野の後を継ぐであろうRB泊のランが好調でTDを奪ったことや、QB大矢のパスが正確なことが救いだった。
●関西学生アメフットリーグ最終日(11月24日・西宮スタジアム)
▽第1試合
関 学 6 10 0 20=36
神戸大 0 0 0 0=0
▽第2試合
立命 10 7 10 6=33
京大 0 14 0 6=20
▽最終成績
1位 関学(7勝)
2位 立命(6勝1敗)
3位 京大(4勝3敗)
4位 神戸大、近大(3勝4敗)
6位 大産大、甲南大(2勝5敗)
8位 関大(1勝6敗)
▽個人表彰
最優秀選手 太田雅宏(関学K/P、4年)
敢闘賞 城阪千太郎(立命DE、4年)
優秀QB 高橋公一(関学、4年)
優秀ランナー 樫野伸輔(立命RB、4年)
優秀レシーバー 山片 陽(立命WR、4年)
優秀攻撃ライン 米澤順司(関学RG、4年)
優秀守備ライン 山下 大(立命DE、4年)
優秀LB 梅田直樹(関学、4年)
優秀DB 廣瀬満知(関学FS、4年)
優秀キッカー 太田雅宏
優秀パンター 太田雅宏
特別賞 村岡真介(関学CB、4年)
新人賞 該当者なし
了