8月17日、川崎市で行われた第56回ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテスト(主催=山野楽器)で、神戸大学 KOBE Mussoc Jazz Orchestra(マソック)は、『E.S.P.』と『Off The Cuff』の2曲を演奏。コンサートマスターの元村健人さん(甲南大・文4年)は、「みんなが力を出し切った」と満足そうな表情を見せた。結果は全ての団体の演奏が終了してから発表される。<取材班>
今年で第56回を迎えた学生ビッグバンドの甲子園ともいわれる、「ヤマノ・ビッグバンド ・ジャズ・コンテスト」。8月16日(土)、17日(日)の両日、大学バンド29団体が、最高気温33度を超える真夏の暑さの中、「カルッツかわさきホール」(神奈川県川崎市)で熱いパフォーマンスを繰り広げた。
2日目のトップバッターは、強豪の慶應大K.M.P.NEW SOUND ORCHESTRA(44回目)、続いて明大Big Sounds Society Orchestra(49回目)が登場。会場では、掛け声がかかり、司会の国府弘子さんがこれまでの受賞歴を紹介すると、バンドが声を上げて応えるなど、ノリと盛り上がりが山野ジャズコンらしい展開。

(写真:第56回ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテストに32回目の出場を果たした神戸大マソック 2025年8月17日12時15分 川崎市のカルッツかわさきホールで)
32回目の出場となる神戸大学 KOBE Mussoc Jazz Orchestra(通称マソック)は、同じ港町の横浜国大Baysound Jazz Orchestraに続いて、この日4番手で登場した。
1曲目は、『E.S.P.』。トロンボーン・元村さん、トランペット・茂久田さん、そしてドラムスの米澤さんのソロも決まり、テンポの良い楽曲をうまくまとめて好演した。
そして、『Off The Cuff』を2曲目に演奏。ピアノ・長江さん、サックス・菊田さん、月守さんのソロを交え、抑揚がありながらもスピード感のある演奏をシャープにこなして、会場からは大きな拍手がおくられた。


(写真:第56回ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテストのステージ)
審査員のベーシスト・安ヵ川(やすかがわ)大樹さんは、演奏後の講評で、「グルーブが深く、太い。切り替えもスムーズ。ベーシストが太く鳴らして(バンドを)支えている。ソリストも粒ぞろい。特にアルト・サックスの月守さんが素晴らしかった」と評価した。
個人的な感想だが、と前置きした上で、「リズムセクションのダイナミクスがもう少し欲しい。ソリストの細かいフレーズに一緒にいる感じがあると、もっとスリリングになる」。「他のバンドにはない(味わい)。それプラス、全体でアンサンブルする…。高いレベルの話だが、それを目指してください」とコメントした。

(写真:演奏後、審査員の安ヵ川大樹さんの講評を聞く神戸大マソックのメンバー)
演奏後、会場入り口前に出てきたメンバーには、 O Bや友人が駆け寄り、「よかった」「お疲れさま」と声をかけていた。
直前に兵庫県北部で3泊4日の合宿をして本番に臨んだメンバーだが、本番を乗り切って晴れ晴れとした表情。円陣を組んでお互いの労をねぎらい、夕方の審査発表の時間を確認していた。

(写真下:出演を終えて円陣を組む神戸大マソックのメンバー 2025年8月17日12時52分)
マネジメントを担当する一田結衣さん(国人・3年)は、「楽しかった。みんなが努力して、ありえないくらい成長した」と満足した表情。「O Bのみなさんにも支えてもらって、お客様に良い演奏を届けることができました」と語った。
コンサートマスターの元村健人さん(甲南大・文4年)は、「みんなが、やることをやった。(力を)出し切った」と、爽やかに取材に応えた。「特に、ベースの先生(安ヵ川大樹さん)から、ベーシスト(の)松浦さんがいいコメントをもらえたのがよかったと思います」と、メンバーの健闘を称えた。
神戸大学 KOBE Mussoc Jazz Orchestraは、1969年結成。軽音楽部JAZZに所属するビッグバンド。サド・ジョーンズ = メル・ルイス・オーケストラとその後継バンド(メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ、ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ)の楽曲、通称サドメルの楽曲を中心に演奏することを標榜していて、今大会のパンフレットにも、「#サドメルは至高 #サドメルじゃなきゃヤダメル」とメッセージを掲載している。
了
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