若い訪日客でにぎわう “映える”百年記念館がSNSで人気に

 映える写真スポットとして人気の百年記念館が、10月に入ってにわかに訪日観光客でにぎわっている。主に中国人の若者たちで、「写真がSNSアプリに投稿されたのを見て、ぜひ来たいと思った」と、しきりにカメラのシャッターを切っていた。<編集部>

(写真:大阪湾を見下ろす“映えスポット”が、中国からの若い観光客のあいだでも人気に 2025年10月6日 午前 灘区六甲台町の神戸大学百年記念館で 一部画像を加工しています)

 「ネットででも紹介されたんとちゃうかな」と、百年記念館で勤務するある職員は百年記念館ピロティの“異変”に驚いている。10月に入って、どうみても神戸大生ではない、観光客スタイルのアジア系の若者で賑わっているからだ。

 六甲台第2キャンパス南端の崖の上に建つ百年記念館(神大会館)は、2階部分に神戸市街地や大阪湾を望む幅50メートル近い空間が空いていて、そのまま1階前庭に大階段で降りる設計になっている。夏は涼しい風が、冬は厳しい六甲おろしが通り抜ける。
 この部分は「プラットフォーム」と呼ばれていて、晴れた日は大阪市内のあべのハルカスや、大阪・関西万博会場の大屋根リング、堺泉北工業地帯のコンビナートが見渡せる。基本設計を担ったのは、工学部教授だった建築家の狩野忠正氏だ。
 2002年の大学創立100周年を前に、2000年に建てられた鉄筋コンクリート造りの建物で、留学生センターや大学文書史料室、ホールにカフェもある。

 ここが10月に入って、にわかに訪日観光客でにぎわい始めた。訪れているのは、主に中国人の若者。中国・深圳からきたという20歳代の男性2人づれは、「この開けた空間がいいですね」と満足そう。
 それにしても、大学の後期が始まったこのタイミングに、なぜ?

 来日8年目で、中国のゲームを日本でPRする仕事をしているという、浙江省出身の陳さん(28)は、「RED(レッド、正式名「小紅書」)に出ていたからでしょう」という。
 「RED」は、中国版のインスタグラムのようなアプリで、若い人に人気だという。自身も、2週間ほど前に投稿を見た。関西旅行のついでにぜひ見ておきたいと思い、JR六甲道駅で下車し、市バスでここまでやってきたという。
 ちょうど10月1日から中国は国慶節の休暇シーズンで、「日本に来る人たちのあいだで、ここのスポットが人気を呼んでるみたい」と陳さんは話す。「スターバックスもオープン1年になるしね」と情報通だ。「ここがいいのは、単に海が見えるだけでなく、切り取られた枠の中に風景が収まっているところ」と解説してくれた。

 お昼時、神戸大の職員や学生が階段に座ってランチをとる中で、おしゃれな服装に首からカメラを下げた来日客が次々にやってくる。
 心地よい秋の風が吹き抜ける中で、男女のカップルは、大阪湾の風景をバックに、歩く動画を何通りも撮影してお互いにチェックしていた。

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