11月8日と9日、第46回六甲祭が開催された。2日目は雨天で屋外のイベント、企画が中止となった。六甲祭実行委員会によると、2日間で約1万4千人が来場したという。<久保田一輝、本田愛喜、加藤万由里、奥田百合子>
~1日目~
11月8日、黄色のジャンパーを着た六甲祭実行委員が正門前で交通整理を行っていた。バスからは、続々と来場者が下りてくる。1週間前には木枯らし1号が観測されたはずだが、少し季節が逆戻りしたような温かい日差しのもと、六甲祭の1日目は始まった。学舎内展示も模擬店も多くの人でにぎわっていた。時計台の前の園遊会ステージの1日目のトリは応援団総部。日ごろからかかわりのある体育会系部活とのコラボステージも実現した。
▽赤星憲広さん講演会
11月8日(土)12時半から六甲台講堂では元阪神タイガースで5度の盗塁王を獲得、現在は野球解説者やタレントとして活躍している、赤星憲広さんの講演会が行われた。会場は多くの阪神ファン、野球ファンで埋まっていた。

(写真:講演を行う赤星憲広さん)
講演会は六甲祭実行委員のインタビュアーの質問、そして事前に参加者たちから募った質問に赤星さんが答えるという形で行われた。
赤星さんは野球を始めたきっかけからプロになってからの驚き、現在監督業に興味はあるかなど、かなり切り込んだ内容の質問まで、次々と答えていき、持ち前のトーク力と、阪神ジョークによって会場を盛り上げた。
実は赤星さんは2度、甲子園に出場しているものの、その両方を自身のタイムリーエラーによりチームを負けさせてしまったトラウマ的経験を持っているという。
しかし、そんな自分でも活躍できたのは「準備をする力、研究する力」だけは誰にも負けなかったからだという。赤星さんは大学生に向けて、準備をすること、視野を広く持つことの大切さを自身の経験、分析を裏付けてアドバイスした。
▽模擬店
汁なしラーメンを販売するDance Crew JETTR OBの出店には60人を超える行列ができていた。

(写真:汁なしラーメンに並ぶ人々)
▽Short1 選手権
11月8日(土)グラウンドメインステージでは今年が初企画となるShort1選手権が行われた。Short1選手権では、4組の参加者らが1分の持ち時間でいかに観客を盛り上げるかが競われた。各参加者たちが全力のダンス、バトントワリング、楽器演奏などを行う中、トリを務めたのはまさかのエルモ。エルモはかわいらしく、おどおどした見かけとは裏腹に、福山雅治の「桜坂」を美声で歌い上げるというギャップネタを披露。観客の驚きまじりの歓声と笑いが起き、そして優勝をかっさらった。

(写真:エルモの格好で福山雅治を歌った参加者が優勝した)
▽応援団六甲祭スペシャルステージ
11月8日(土)園遊会ステージでは16時~17時に応援団総部による六甲祭スペシャルステージが行われ、多くの人が集まり、1日を締めくくる舞台となった。応援団による応援、チアによるダンス、吹奏楽部による演奏だけでなく、いつも応援団総部により応援を受けている運動系部活とのコラボステージも行われ、いつもと一味違う、まさにスペシャルなステージとなった。

(写真:応援団と体育会系部活とのコラボステージ)
園遊会ステージは、前の人でステージがなかなか見えないほどたくさんの人だかりができ、応援団、観客双方の掛け声により、太陽が沈んでいくことを感じさせないほどの熱気となった。
久々に六甲祭に来場したという地元の大学生は「グラウンドでのビンゴに人がたくさん集まって盛り上がっていた。模擬店の数も想像の10倍ほどあって驚いた」と語った。
~2日目~
11月9日の午前10時、六甲祭の2日目が始まった。雨天のため、模擬店や巨大迷路、ステージなどのグラウンド企画は中止となった。

(写真:六甲台本館前の模擬店のテントがたたまれている。2025年11月9日10時9分撮影)
11時時点で、六甲祭実行委員会の判断により、六甲祭自体が中止になる可能性もあったが、続行された。
神戸大生の親である夫婦は、「もともと雰囲気を味わえればいいかなと思ってたので(雨でも良いが)学生さんが長く準備されてきたやろうに、残念だろうなという気持ち」と話した。

(写真:雨天で使えなくなったグラウンドの様子。2025年11月9日15時24分撮影)
10時から、室内と講堂のイベントは予定通り実施された。
▽学舎内イベント
第1学舎の2階では、美術部凌美会が作品展示やステッカー販売などを行なっていた。ステッカーを製作した、野田歩実さん(国人・4)は「ステッカーは毎年作ってるんですが、今年は多めに作りました。今年最後の年だから、全部作ってしまえと思って。1個1個手作りで、いろんな思いを込めながら作った」と話した。

(写真:ステッカーが販売されていた。2025年11月9日10時37分撮影)
音ゲーサークルのKoBeatは、自作の音ゲーやタブレットの音ゲーの試遊会をしていた。
音源は、DTM作曲同好会の音見鶏から提供してもらい、それを元に譜面を作ったという。メンバーの水島康成(ニックネーム=みおん)さん(法・2)は、「譜面を作るためのソフトやアプリ自体も作成した。1曲の譜面を作るには、数時間かかることもある」と話した。

(写真:音ゲーに挑戦する来場者。2025年11月9日10時43分撮影)
11時45分からは、六1キャンパス講堂で「神大生の壁」が行われた。10人の神大生が、自分の得意な分野でクイズ問題に挑戦し、「壁」となる観客と早押しクイズで競うというもの。
初めは、「クレーンゲーム」をお題に、ごましおさんが挑戦した。「みなさん、私のことをどんどん倒しちゃってください」と大きく出たものの、1問目から悩んでいる姿に観客から笑いが起こった。

(写真:頭を抱えるごましおさん。2025年11月9日11時58分撮影)
「ハリーポッター」をお題にして挑戦した、たかさんが決勝進出で優勝となり、アマゾンギフトカード1万円分を受け取った。
▽屋外出展
雨天の中、路上ライブを行う団体もあった。軽音サークルMMCは、第1学舎の裏で、BUMP OF CHICKENの「HAPPY」などを披露した。傘をさした観客が多く集まった。

(写真:路上ライブの様子。2025年11月9日13時51分撮影)
▽お笑いライブ
お笑いライブが、16時から六1キャンパスの講堂で行われた。

(写真:お笑いライブの整理券が11時半から配布された。2025年10時17分撮影)
神戸大の発達科学部卒の檜原洋平さんと、大鶴肥満さんのコンビであるママタルトを迎え、神戸大お笑い研究会Saharaとのコラボステージとなった。お笑い研究会の「Sahara」という名前は、「当時の部長がサハラ砂漠に行っていた」という理由から、檜原さんが命名したという。
前半は、Saharaに所属するコンビらとママタルトがそれぞれコントを披露し、後半は「神戸大あるある」で点数を競った。
お笑い研究会Saharaに所属する加部さん(済・1)は、「ママタルトさんが面白かった。ホンマにのびのびとしている感じがすごかった。めっちゃ声大きいんかと思ったらピンマイクつけてた。(先輩たちをみて)やっぱり、前の舞台に出て、堂々とやっているのはすごいな」と話した。
和歌山県から来た高校1年生の男子生徒と母親は、「神戸大に1回来てみたいなと思って来た。今としては、神戸大を志望している。建物がでかい」「神戸大の名前はよく聞くんですが、実際に来てみたことがなかったので、見てみたいと思って学祭に来てみた」と話した。
六甲祭実行委員長の越峠遼大さん(国人・3)は、「昨日は快晴だったんですけど、今日は雨ということで判断が大変だったり、柔軟に動かないといけない時があった。グラウンドは状態が悪くて開催できなかったが、路上でのライブや講堂、学舎内出展は安全に滞りなく行えたのではないかな。六甲祭全体としては、雨の中でも来場者の皆さんに多くお越しいただいた。お笑いライブも完売したと聞いたので楽しんでいただけたのかなと思う」と話した。
了
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