「結核が今も存在するとは」 神戸大生の反応

神戸大での結核集団感染の疑い、と神戸市が六日に発表してから、神戸大生からは「最近咳が続く。検査に行ってみる」(四年・女子)、「結核という病気が今も存在するとは知らなかった」(四年・男子)などの声が聞かれる。【10月8日 神戸大NEWS NET=UNN】

 集団感染の一報を聞いて、「結核は治る病気」と認識しているものの、「まさか身近に結核感染があるとは」(四年・男子)、「結核が今も存在するとは知らなかった」(四年・男子)と、驚く学生が多い。また「最近咳が続く。感染しているかもしれないので、検査に行ってみる」(四年・女子)、「風邪が治らない。もしかしたら結核ではないか」(四年・男子)という声も聞かれた。

 結核は、初期の段階であればほとんど通院で治すことができる。症状が進んでも、長期間の療養生活を強いられることは少なくなってきた。
 しかし近年、薬剤耐性菌も発見されており、この場合の有効な治療薬はない。保健管理センターのホームページでは「日常から規則正しい生活を送って、病原菌に対する抵抗力を養うことと、定期健康診断によって病気の早期発見に努めることが何よりも大切」としている。
 しかし、二、三年生は定期健康診断の受診率が十一パーセント(平成十一年度)と極めて低い。
 「面倒だから」(四年・女子)「検診があることを知らなかった」(四年・男子)という声がある一方、「検査の日程が日時・時間とも最初から決められているので、予定をあわせることができない」(四年・女子)など、不満の声も。

 一九九七年には、これまで減少を続けてきた新規発生結核患者数が三十八年ぶりに、罹患率が四十三年ぶりに増加に転じたことを受け、厚生省は九九年七月に、結核緊急事態を宣言。「一般の国民のみならず医療関係者や行政担当者までもが、結核は既に我が国で克服された過去の病気であると錯覚してきた」として、結核は決して過去の病気ではないとPRしている。年間の新規発生患者数は約四万三千人。死亡者は約二千七百人(一九九七年データ)に達している。二十代、三十代の人や高齢者で増加していることも特徴だ。
 全国の制令指定都市の中で、罹患率でみると神戸市は大阪に次いでワーストツー。三位の名古屋市を大きく引き離している。

  都道府県・市別掲結核罹患率 (人口10万対)? 

1994 1995 1996 1997 1998※ 1998
全国 35.7 34.3 33.7 33.9 34.8 32.4
札幌市 26 28.7 27.3 26.1 28.3 24.6
仙台市 26.6 26.4 19.8 25.2 23.5 21
千葉市 26.5 27.2 27.1 24.1 28.9 25.7
横浜市 35.7 33 33 33.9 35.4 33.5
川崎市 41.7 41.7 40.9 39.2 40.6 39.3
名古屋市 45.9 43.6 41.7 45.4 45 43.3
京都市 44.5 42.1 38.2 39.9 43.3 42.1
大阪市 100.8 99.3 103.1 103.8 106.7 104.2
神戸市 63.7 62.8 62.8 64.8 57.6 56
広島市 32.2 34.3 27.4 27.4 31.6 27.9
北九州市 48.6 43.9 45.8 43.2 41 38.2
福岡市 36.8 33.5 35.8 31.3 32.3 30.4


※印の1998年は旧分類による
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出典:結核の統計:厚生省保健医療局エイズ結核感染症課監修

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