一転して「結核集団感染の疑い」へ。強陽性反応が十三人の段階で「集団感染の可能性は低い」としていた保健管理センターの馬場久光所長は、「室内で活動するクラブであったため、集団感染を助長した」とコメントした。連休明けの十日、ニュースネット委員会の取材に応えた。【10月10日 神戸大学NEWS NET=UNN】
強陽性反応13人の段階で「集団感染の可能性低い」
「結核集団感染」の定義は二十人以上が結核菌に感染した場合をいう。神戸市灘区保健部は九月から順次、この排菌を伴った結核患者の濃厚接触者に対してツベルクリン反応検査を行なった。
神戸市の発表資料では、九月三日に行なった検査で強陽性反応(発赤径三十ミリ以上)を示した受検者は十三人だった。九月十二日のニュースネットの取材に対して保健管理センターは「集団感染の可能性は低い」としていた。
3回にわけ検査 20人超えて一転「集団感染の疑い」
しかし十八日の検査で三人が、十月二日に行なった検査で五人が新たに強陽性反応を示し、強陽性反応者の合計が二十人以上となったため、神戸市保健所は六日、定義に基づき「集団感染」だと発表した。
ツベルクリン反応検査は、陽性反応を示しても過去にどこかで感染した場合も考えられ、感染源を断定することはできない。しかし今回、五十一人中二十一人、四一・二パーセントと高い確率で「濃厚接触者」が強陽性反応を示したことなどから、この患者からの感染の可能性が高いとした。
感染者の二十一人は半年間、予防内服をして経過をみていく。まだ検査を受けていない残りの濃厚接触者五人も今週中に受検する予定。
「室内で活動するクラブ 感染しやすい環境」
患者と同じクラブに所属する部員が濃厚接触者の対象となった。保健管理センターの馬場久光所長は「室内で活動するクラブであったため、感染しやすい環境にあったのが集団感染を助長した原因の一つだと思われる」と指摘している。
九月二十五、二十六日に行われた定期健康診断は、二年次生の二十六パーセントが受検。患者と同じ学部の学生は六十二・三パーセントの受検率だった。同センターの馬場所長は「集団感染の可能性はいつでも考えられること。他人事だと思わないで健康診断を受検してほしい」と話している。
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