キャンパスフォーラム3「モンゴルの芳しき大地」が六月二十七日、六甲ホールで 行われた。モンゴルに留学した神戸大大学院の卒業生の話などがあり、ホールに集まった五十人近くの観客は静かに聞き入っていた。【6月28日 神戸大学NEWS NET=UNN】
第一部では、遊牧民と共に約四ヶ月過ごした林響さん(自然科学研究科修士課程修了)が、主に遊牧民との生活について、スライドを交え話を行った。工夫された遊牧民の家「ゲル」、牛や羊の遊牧の仕方や日本との生活のギャップなど、普段は接することのできない遊牧生活が紹介された。「朝遠くを見ていると、地平線の彼方から何十頭という馬をつれた人がやってきて、また地平線の彼方に消えていく」と草原の雄大さを漂わせる話をしたり、「トイレはどうしているのか」という質問に「テクニックです。今家族のみんながどこで何をやっているかを把握する。とにかくタイミングが勝負」と答えたりと、モンゴルの文化を面白く説明した。その後は、ムンフボルトさん(総合人間科学研究科)による馬頭琴の演奏。「ホーミー」や日本の「ふるさと」など三曲を演奏し、会場にはモンゴルの音が響いた。
第二部は「見えない壁を超えて」と題されたパネルディスカッション。林さんや五人のモンゴル人留学生が、モンゴルのジョークや、大学生活について日本と比較しながらモンゴルを紹介した。「十分くらい前に、遠くのほうからお客さんがやってくるのが見えるから、お茶を沸かしたりゆっくり準備ができる」とゆったりしたモンゴルの時間の流れに客席からは笑いも。会場からは「日本に住んでなじめない習慣は何か」といった質問が出て、互いの文化の違いに、話が盛り上がった。 現在、林さんは狩野建築研究所に勤めている。モンゴルでの生活で得たことは「直接仕事に関係なくてもいいと思う」と話す。ただ「どこかで影響されているかもしれないし、二十年後ぐらいに明白に現れてくるものなのかもしれない」。
三回目となる今回のキャンパスフォーラムのテーマは「知の交流」。「(フォーラムを通じて)同じキャンパスにいる身近な人から、世界中には色々な人がいることを感じ取ってほしい」と留学生センターの瀬口郁子教授。今回、モンゴルについてのフォーラムを行った理由については、「日本の留学生の九割がアジア。もっとアジアに関心を持ってもらいたいから」と話した。
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