2004年度から国家試験に合格した医師に対して臨床研修が義務化されるに向け、国立大医学部付属病院長会議は同年度から、各大学病院が研修医を全国から公募することで合意した。42の国立大学の付属病院が加わる同会議の常置委員会が12月18日指針として提示した。【12月18日 UNN】
同方針は、医師の流動化を促し、競争原理を通じて医療の質の向上を図るのが狙い。指針によると、各大学病院が研修内容や指導医数、先輩研修医の進路実績などを公開し、研修医予定者はこれをもとに希望病院を複数選び順位をつけて応募する。私大出身者も応募できる。
病院は、応募者に面接などの試験を行い、選抜順位をつける。双方の順位をコンピューターで照合して選抜。公立、私立大付属病院や、厚労省指定の病院も希望があれば参加可能という。
研修医の所属は各診療科でなく、病院ごとに設置する「研修センター」とする。研修医は2年間で内科、外科、救急部、小児科、産婦人科の5科で研修。ほかの病院と連携して研修を実施するのが原則。「指導医1人につき研修医は2人以内」との基準も示した。
現在は免許取得後、出身大学などの医局講座に所属する医師が多く特定領域しか診られない医師が増加している。医局の方針で人事や研究内容、治療方法などが左右され、他大学の医療技術が学べないなどの閉鎖的側面も問題となっている。研修医を選抜する基準もあいまいだった。
研修内容や実績は、全国組織の第三者機関が評価し、一般に公開する方針。研修希望者が病院を選ぶ基準となり、病院間の競争も促される。ただ、新制度を完全実施するには、所属があいまいになる研修医の身分保障などが課題になりそうだ。
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