人権に敏感な大学に 発達・朴木教授

 神戸大学セクシュアル・ハラスメント防止委員会ではリーフレット「セクハラ実態調査結果のお知らせ」を作成、4月から配付を始めている。その実態調査を中心的に行った同委の朴木佳緒留・発達科学部教授(男女平等教育)に話を聞いた。【5月29日 神戸大学NEWS NET=UNN】

 同委員会は平成11年発足。各学部1人ずつの教職員で構成されている。今回の調査は、昨年10月11日から31日、学生1939人、院生1474人にアンケート用紙を配付し、郵送で返送を求める形式で行われた。回収率は42・6%。

-今回、初めてアンケートを行った理由は?
「まず、セクハラの実態を知らなければならないと思って今回の調査をした。本当は全数調査をしたかった。」

-アンケートでは学部生、院生の4・2%(1455人中61人)が何らかのセクハラ被害を受けたという結果が出ているが?
「(4・2%という数字は)多いとは言えないが、数が少ないと言って片づけるわけにはいかない。こういう人たちが少しでも出ないようにしていかなくてはならない。」

-被害は女子院生で多くなっているが?
「セクハラは権力関係があるところで起こる。だから大学では院で起こりやすい。それに大学では『先生に付いて教わる』という徒弟制のような関係が残っていることも影響しているかもしれない。」

-セクハラ被害を受けた結果、「修学意欲が低下した」という回答が多いが?
「大学で一番重要な勉強という面がダメになるというのは、あってはならないこと。20人もの人がそう感じてしまっているのは、重大事件と言える。『わずかな数』という気にはならない。」

-セクハラ被害後の対応は「友人等に相談」、「何もしない」が多くなっているが?
「言うだけの勇気が必要。(他人に)訴えることで被害者が不利益にならないような環境を作らなければならない。被害を受けたら、セクハラ相談窓口の相談員に相談してほしい。」

-これからの活動は?
「調査自体がセクハラへの関心を高め、防止にもなる。(学生・院生の)全数調査や、教職員に対する調査をしていきたい。」

-神戸大では昨年3月、文化学研究科の名誉教授が指導教官時代に学生にセクハラ行為を行ったとして、兵庫県弁護士会から警告を受けた例がある。神戸大の現状はどう見るか?
「各大学の性格もあるので、他大学と比べても意味がない。セクハラは被害が多い少ないだけの問題ではない。人権感覚やジェンダーに敏感な大学であってほしい」

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

月別アーカイブ

サークル・部活総覧

  1. 神戸大のサークル・部活のツイッター・アカウントを探せるぞっ!クリックすると、『神大PORT…
  2.  神戸大学の文化系のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随…
  3. 神戸大学のスポーツ系のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随…
  4. 神戸大学の医学部のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随時更…
ページ上部へ戻る