共同通信のアンケートによると、国立大の学長の半数が、2004年度に予定される国立大法人化の後に、現在の授業料が「上がる」とみていることが、6月19日に分かった。【6月19日 UNN】
アンケートによると、法人化後は各大学が一定の範囲内で授業料を決めるが、競争原理が導入され、経営基盤を安定させる必要性も高まることから、学生側の負担が重くなる可能性が高くなることを示した。
法人化自体には、各大学への資金配分の基礎になる文部科学省の適切な大学評価がなされるか懸念している学長が75%、大都市と地方の大学の格差拡大を問題視する学長も53%に上った。法人化法案は現在、参院で審議中。成立すれば来年4月から実施される。
アンケートには97人の国立大学長のうち92人が回答した。授業料は現在、全学部一律で年間約52万円。授業料に関しては、10%が将来的に上がる、40%が学部間で差でる、と回答し、計50%が授業料の上昇を予想したという。また、「変わらない」と答えたのは37%だった。自分の大学の授業料はほとんどがまだ検討していないのが現状だという。
法人化のプラス面は学長のリーダーシップが強化される、大学の意思決定の迅速化、学外者の参加で開かれた組織になるなどがあげられた。逆に、マイナス面や不安としては、国の評価や地域間格差の問題に加え、事務作業が増え教員が教育研究に割く時間が減る、外部資金が獲得できるか不安、などがあがった。
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