ニュースネット委員会など11大学の新聞が加盟するUNN関西学生報道連盟の震災取材班が、阪神淡路大震災で亡くなった神戸大、旧神戸商船大、関学大の学生の45の下宿跡の現状を取材している。前回取材の97年は4割が更地だったが、現在は1か所だけに。住宅、マンション、駐車場に変わっていた。17日発行の本紙「NEWS NET」に掲載。ホームページにも掲載する。【1月1日 神戸大NEWS NET=UNN】
神戸大ニュースネット委員会や関西学院大「新月トリビューン」紙、神戸女学院大「K.C.Press」紙をはじめ、UNN加盟の取材班10人が、阪神淡路大震災で亡くなった神戸大の39人、同大海事科学部(旧神戸商船大)の5人、関学大の15人―が下宿していた45か所を取材している。
ほとんどが住宅、マンション、駐車場に
UNNは震災2年目の97年にも特集「被災下宿は今」を取材・編集。さらに7年たった今、被災下宿跡がどうなったのか、現場を再訪した。
97年は4割が更地だった。しかし今回は更地は1か所だけに。ほとんどが区画整理などで他の人の住宅、マンション、駐車場に変わっていた。
ただ1か所更地のまま 岩田文化跡
六甲道の高層ビルがすぐ西にそびえ建つ灘区備後町。ただ1つ、更地の岩田文化跡は、7年前の取材の時のまま。枯れ草が生え、バイクが放置されたまま雑草が生い茂っている。ここだけ、時間が止まったような空間だ。
一階に住んでいた磯部純子さん(神戸大・教育・当時四年)、歯朶原孝さん(理・当時三年)、梶達雄さん(理・当時二年)、細井里美さん(農・当時二年)の四人が亡くなった。地震で二階が一階を押し潰し、圧死だった。
向いに住む男性は、「あの時は、(倒壊した家々から)何人もひっぱりだした」と話す。この一画で多くの人が亡くなったという。
耐震性を考慮したアパートに 旧浜吉文化住宅
清水倫行さん(工・当時四年)と橋本健吾さん(医・当時一年)が亡くなった浜吉文化住宅(灘区中郷町)は、平成11年2月、耐震性を考慮したアパートに建てかわった。大家の浜吉弘敏さん(77)は、震災の経験から、改めて学生が安心できる場の必要性を感じたという。
浜吉さんは、学生と大家の関係をもっと深めておくべきだったという反省から、年に2回食事会を主催している。
大家と脱出した学生が連携していれば、もっと迅速に救出できたのではないかという思いが、今でも残るという。
【写真】建てかわった浜吉文化住宅を取材する記者。入居者は全員神戸大生だ。(12月19日午前、灘区中郷町で 撮影=須田鉱太郎)?
震災特集は17日発行 ホームページにも掲載
記事は、加盟11紙すべてに掲載される。全加盟紙掲載は5年目の特集以来2度目。発行日は関大など5大学は1月11日、神戸大など6大学は1月17日。ホームページhttp://www.unn-news.com/でも特集ページを開設する。(震災取材班=吉永智哉、森田篤)?
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