JR福知山線が6月19日に開通する。4月25日の脱線事故で20人以上の学生が命を落とし、路線が不通となって約2か月。この期間、振替輸送区間を利用する学生に与えた影響は大きかった。【6月16日 神戸大NEWS NET=UNN】
不通区間“自転車通学”も 同志社大生
「一日も早く(福知山線が)開通してほしい」と話すのは、JR猪名寺駅から同志社大に通う2年生。福知山線が不通になった影響で2駅先の尼崎駅まで、自転車での移動を余儀なくされた。「30分以上早く起きないと間に合わなくなった。脱線事故の遺族には申し訳ないが、大勢の人が(不通になったことに)迷惑しているからJRには早く対応してほしい」と希望する。
すし詰め阪急うんざり 関大生
阪急宝塚線の石橋駅は、箕面線と合流する阪大の最寄り駅。そのため乗降客は普段でも多いが、事故後は宝塚方面からの乗客がさらに増えた。石橋駅から関大まで通学する2年生は「一度では乗り切れないほど人が多くなった。それでもすし詰め状態でなんとか乗っている」と混雑の様子を説明する。福知山線の運行再開を願う一人だ。
阪急電鉄によると、脱線事故後、各路線の乗客数は3割程度増えたという。振替輸送の実施期間、ホームに待機する駅員を増員し、混乱を未然に防ぐ方針だ。私鉄での振替輸送は6月18日で全て終了する。
「安全は徹底してほしい」 阪大生
JR西日本には4月25日以降、福知山線の運行再開を願う利用者の問い合わせが数多く寄せられたという。「苦情を含め、7万3940件(6月14日現在)の問い合わせがあった。19日の再開は時期尚早という声もあるが、新型ATSの設置や運転士の訓練を徹底し、乗客の安全に配慮している」と説明する。新たなレールの敷設を終え、福知山線では現在上下線で試運転を実施している。ATSの動作確認と乗務員の訓練が目的だという。
通学に電車を利用する学生にとって、安全性は重要な問題だ。福知山線の早期開通を歓迎する一方で「本当にもう大丈夫だろうか」(神戸大・1年)と不安を口にする学生も少なくない。「開通すればたしかに通学は楽になると思う。でも安全性に疑問が残るなら、もっと徹底的に改善してから再開してほしい」(阪大・2年)という意見も聞かれた。
福知山線は19日、上下線とも午前5時発の始発列車から運行を再開する。上りは宝塚発木津行き、下りは四条畷発新三田行きの、いずれも各駅停車だ。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。