浦中さん殺害事件 二審も組長に懲役20年

 神戸商船大(現・神戸大海事科学部)院生の浦中邦彰さん(当時27歳)が2002年3月4日未明、神戸市西区で元暴力団組長らに暴行され死亡した事件で、殺人罪などに問われた元暴力団組長・佐藤高行被告(41)と、共犯として傷害致死罪に問われた谷京子被告(38)の控訴審判決が5月23日、大阪高裁であった。瀧川義道裁判長は佐藤被告に一審どおり懲役20年、谷被告に懲役3年の実刑を言い渡した。【6月23日 神戸大NEWS NET=UNN】

 浦中邦彰さん(当時27歳)は2002年3月4日未明、神戸市西区で暴力団組長の佐藤高行被告(41)らに言いがかりをつけられ、長時間にわたり繰り返し暴行された上で川に投げ捨てられ、死亡した。
佐藤被告は、1審で神戸地裁に「未必の殺意が認められる」として、懲役20年を言い渡されたが、殺意はなかったとする弁護側と殺意は確定的だったとして無期懲役を求刑する検察の双方が控訴していた。
 谷京子被告(38)は、1審で共犯として傷害致死罪で懲役3年、執行猶 予4年の判決を受けていた。

Photo●佐藤被告に懲役20年 谷被告に懲役3年
 大阪高裁で6月23日午後1時15分から行われた控訴審判決では、遺族や友人らが浦中さんの遺影と共に傍聴していた。
 控訴審判決で、大阪高裁の瀧川義道裁判長は佐藤被告について「被告は面子を潰された怒りから暴行したが致命傷にはなってはおらず、殺意は確定的ではない。反省の言葉も述べている」として1審の神戸地裁判決を支持、検察側、被告側双方の控訴を棄却。一審どおり懲役20年を言い渡した。
 また、谷被告について、1審判決が「不当に軽すぎる」として破棄、懲役3年の実刑を言い渡した。

●「残念というより無念」 浦中さんの母
Photo 判決後に行われた記者会見で、浦中邦彰さん(当時27歳)の母(64)は「気持ちは当時と同じ。全員に命で償ってほしい。息子は何の落ち度もなく一方的に殺された」と変わらぬ思いを話した。
 今回の判決に対し、「無期懲役となってほしかった。たった20年間刑に服すだけで、なぜその後を楽しむことが保障されるのか。(佐藤被告の)社会復帰が怖い」と話し、谷被告の判決については「まあまあ進歩した」と胸のうちを明かした。
 佐藤被告の姿に対し「いつもより緊張して青い顔のように見えたが、判決を聞いてほっとしているのでは」とコメント。また、被告らに対し「私としては、彼らは自分をかばうばかりで反省の色が見えない」と心境を述べた。
 今日の判決に「息子の無念が晴れないで残念というより無念」と話し、「判決内容は何も包み隠さず息子に報告する」と話した。
 一方の被告側は「今後の対応は相談して決める」としている。


【写真中】友人の胸に抱かれた浦中さんの遺影
【写真下】記者会見を行う関係者ら。左から順に被害者の友人、母親。(いずれも6月23日・大阪高等裁判所で 撮影=森田篤)

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