神戸スタイルで行こう 男女共同参画シンポ

神戸大学を中心に、男女の共同参画について考えるシンポジウム「『神戸スタイル』で行こう!」が7月30日、神戸大学百年記念館六甲ホールで行われた。【8月2日 神戸大NEWS NET=UNN】

 今回のシンポジウムは、今年2月に学長直属の組織として発足した神戸大学男女共同参画推進室が企画。男女の共同参画、特に家庭を持つ女性の社会進出をメインに展開し、女性を中心に多くの来場者が詰め掛けた。?
 開会の挨拶で神戸大の野上学長は、「今日のシンポジウムが神戸大学を変えるきっかけになれば」と、抱負を述べた。?
 神戸大特別顧問の相馬芳枝さん(昭和40年理学部卒業・工学博士)は「明日を開く女性科学者」をテーマに、自身の科学者としての経験を基に講演。女性の研究職の中でも、特に数が少ない理系研究者に焦点を当て、その原因と増やすための方法について語った。「神戸スタイル」の基本概念である、家庭を持つ女性研究者の再チャレンジ支援事業についても説明し、積極的な参加を訴えた。?
 男性の目線から見た女性の社会参画について、自身の経験を交えて語ったのは中央大の広岡守穂教授。家庭を持つ女性が社会に出るための、家族、特に夫からの支援の大切さを話した。途中、育児や夫婦喧嘩での失敗談に話題が及ぶと、参加者の多くが笑いながらも頷いて聞いていた。?
 最後に板東久美子・内閣府男女共同参画局長による特別講演が行われ、男女共同参画事業に対する政府内での活動と現状を説いた。女性の就労状況や職場環境の整備に関しても、諸外国との比較や推移をグラフを用いて説明。過去と比べ、改善が進んでいないことを指摘し、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の必要性、実現に向けた今後の方向性について言及した。?
 講演のあとには、「神戸スタイル」に期待することについてのパネル討論が実施され、講演を終えた3名がパネリストとして参加。女性の社会進出の現状や今後の展望について、女性参加者を中心に鋭い質問が数多く飛び出した。海事科学部の女性職員からの、「企業ではどれくらい、女性が働きやすい職場環境作りが進んでいるか」との問いに対し、板東局長は、「少しずつではあるが 経営者側の意識が変わってきた。(職場)環境の改善は今後一層進んでいく」と答えた。?
 シンポジウムに参加した神戸大の女性職員は、「女性が働きやすい環境は安心できる。(神戸大に)男女共同参画推進室が出来たことで、神戸大が変わりつつある」と働く女性の視点から話した。

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