本当に必要な支援とは 足湯隊、再び中越へ

 神戸大学学生震災救援隊が8月4日と5日、「中越・KOBE足湯隊」として、新潟県中越沖地震の被災地で救援活動を行った。足湯隊の新潟県中越沖地震被災地での活動は今回で二度目。神戸からは神戸大1名を含む3名が参加。新潟県の長岡技術大、栃木県のボランティア団体と協力し、足湯サービスを中心にした活動を展開した。【8月10日 神戸大NEWS NET=UNN】

神戸大から参加したのは久保久彦さん(理・2年)。3日の夜に現地入りし、4日に刈羽村内の2ヵ所の避難所で足湯サービスを行った。5日は刈羽村内で避難されている方だけでなく、自宅で生活する方にも呼びかけ足湯サービスを施した。また、足湯サービス以外にも、本格化している倒壊した家屋の撤去作業や整理も手伝った。
現在の被災地の状況は一部のインフラを除き、ほぼ復旧。食糧も十分にあり、避難している方も徐々に減ってきているという。しかし、倒壊した家屋の撤去や修復が未だ進んでいないのが現状だ。震災から3週間経ち、被災者の経済的な問題や人手、機材の不足といった問題も顕在化。「震災直後に比べ、ボランティアの数も減りつつある」と久保さん。特に県外からのボランティアの減少が顕著で、これから盆休みにかけて更に人手が減るのではないか、との懸念もある。「震災当初よりも、具体的な仕事が増えるこの時期が一番人手が必要。震災を風化させてはならない」と話した。

《被災者の声》
新潟県中越地域は平成16年に起きた新潟県中越地震の被災地でもある。「こんな(大きな)地震がもう一回あるとは思っていなかった」と多くの方が口にしているという。地震がトラウマになり、精神的に大きな傷を抱えている被災者も少なくない。また、3年前の震災から復旧したものの、今回で更に深刻な打撃を受けた家屋が多く、被災者は経済的にも精神的にも前回以上に苦しんでいる。久保さんは、「足湯を通して心のケアをすることが必要」と、精神的な支援が必要であることを強調した。

《活動に伴う危険と被災者からのニーズ》
被災地では未だに倒壊する危険性のある家屋が数多く残っているが、ボランティア活動センターはそのような家屋への立入りを安全面への配慮から禁じている。そのため、家具や生活用品の運び出しなど、最も人手が必要な作業に対する支援が積極的に出来ないという。お年寄りが多い被災地。人手が不足している上に活動が制限され、支援が思うように進まない。この状況に対し、「時間はかかるが一件ずつ回っていくしかない」と答えた。

最後に久保さんは、「被災者が求めている活動とボランティアの活動が一致していないことが一番の問題。出来るだけ期待に応えていきたい」と語った。足湯隊は8月8日から10日にかけて能登で活動。8月の後半にも場所は未定だが実施を予定している。

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