コロナ禍でも多くの人とつながる


インタビュー『LIVE』緊急企画「コロナ禍の下の神大生」?
アイセック元メンバー・吉田涼一さん

 コロナ禍の下で、神戸大生はどう過ごしているのか。インタビュー『LIVE』緊急企画「コロナ禍の下の神大生」では、危機に立ち向かう神戸大生たちに話を聞く。
第2回はアイセックの元メンバー、吉田涼一さん(文3年)。コロナ禍で移動制限のある中で、吉田さんはオンラインで新入生の履修相談に応じるなど、多くの人と繋がってきた。吉田さんの取り組みと現在の生活について聞いた。

(写真:オンラインでインタビューに応じる吉田涼一さん 2020年6月21日)

<聞き手>自粛前と自粛期間中の生活はどう変わりましたか。
<吉田さん>それまでは、NPOを掛け持ちしていていろんな社会貢献をしたり、人と出会ったり、観光も兼ねて遠くの方へ出かけたりしていました。(新型コロナウイルスの感染が広がった)3月末からは、大阪の実家に帰って引きこもっていました。4月前半はアニメ見たり、本を読んだりと結構趣味に時間を使っていましたね。
4月後半になってオンデマンドばかりですがオンライン授業も始まって、沢山の課題をこなしつつ、関わっているNPOの方も動き始めて、ちょっとバタバタしていました。
そんななか、4月の前半と中旬に文学部の新入生に対してTwitterのDMを開放して履修の相談を受けていました。

文学部の新入生からTwitterのDMで履修相談を受けていた

<聞き手>履修相談を始めたきっかけはなんですか。
<吉田さん>文学部の履修に関して詳しいのが第一にありました。もともと同期とか去年の新入生にもすごい履修の相談を受けたりとか、説明会を開いていたりとかしていました。ただでさえ複雑なのにオンラインのせいでさらにやばい状態になっていることをTwitterを見て把握して、これは動かないとまずいぞと思って…。けど、いきなりZoomを開いても怖いなと思って、Googleドキュメントでざっくりとした解説書みたいなものを作ってTwitterに上げて、困ったことや分からないことがあったらDMへ質問してねと書きました。

記者(大垣)自身も吉田さんに履修相談をした。相談の際には、文学部履修の参考書を作り、Twitterで拡散。似た質問はまとめてQ&A方式でツイート。履修登録相談でDMを開いている他の上回生とも連携しながら、正しい情報を伝えようとする姿勢は、信頼度の高いものだった。
多くの新入生の履修登録相談DMに返信したり、場合によってはzoomでやり取りしたりしながら、人生観や将来の夢などの話もしてくれた。自身の所属していたアイセックでの経験談だけでなく、一人一人に合いそうな部活・サークルも教えてくれたり、今後の活動の仕方なども紹介してくれたりした。
文学部の友人たちからは「吉田先輩にとても助けてもらった」という声を多く聞く。大学に登校できない状況で友人からの情報も得られず、初めての履修登録に戸惑っていた私たち新入生にとって、まさに希望の光だった。

<聞き手>どのくらいの人が履修相談に来たんですか。
<吉田さん>110人ぐらい(学部の)新入生がいるんですけど、その内の20数人から連絡が来て、3日間ぐらいひたすら対応していました。


(写真:写真:カンボジアでスラムを支援しているNGOを訪れ、スラムの子供達の世話をする手伝いをした時のスナップ 2019年9月)

コロナ支援のマッチングサイトにも携わっていた

<聞き手>5月に入って履修相談が落ち着いたあと、緊急事態宣言が解除されるまではどのような生活を送っていましたか。
<吉田さん>5月に入ってからは、コロナの支援に関して支援を受けたい人とか何か情報を発信したい人と、何かできることをしたい人とを繋ぐ「マッチングサイト」を作ろうというプロジェクトが動き始めていて、それにいま携わっています。

<聞き手>コロナがあったからこそできた、というものはありますか?
<吉田さん>そのマッチングサイトを作ってるNPO法人は神戸に本社があるんですけど、東京や福岡に支部があって、正規の社員さんや学生のメンバーで回っているんですね。こういう(コロナ禍の)状況の中でNPOの仲間たちで繋がろうっていう企画が持ち上がって、福岡の仲間たちとか、関東とか関西で接点が無かった仲間たちと繋がりができました。また、いろんな人がFacebookやTwitterなどのSNSを深く活用するようになったんで、そこで特に新入生とのつながりができました。こうした、コロナがあったからこその出会いが結構大きかったですね。

サークル選び 真面目な方向の団体に興味があるなら入った方がいい

<聞き手>新入生は、いまオンラインのみの新歓説明会が続く中で、サークル・部活を選ぼうとしています。みんな不安に思っているようですが、アドバイスはありますか。
<吉田さん>不安になるのは当然です。コロナに関係なく普通に不安だと思います。バタバタしてる状況の中でサークル選びをしなきゃいけない。でも、逆にこの状況を逆手にとって、いろいろ情報を持ってから(サークルを)選べると、意外といいものなんだよということを言いたい。連絡してくれたらいつでも相談はのりますよ。

<聞き手>どんなサークル・部活を探せばいいですか?
<吉田さん>大学入ったらとりあえずサークルで遊びながら、バイトして…、みたいなこと考える人がすごい多いなと思っていて。別にその生き方を否定したいわけじゃないけど、何も考えないで周りに流されてそうやっちゃって、いざ就活になって中身がないって嘆く人が多いなと思っています。
 必ずしも遊びメインのサークルには入らなくてもいいと思う。真面目な方向のサークルに興味があるなら入った方がいい。
 責任とお金と時間と言う観点から見たとき、自由度が高いのが大学生で、その過ごし方を決めるのが新歓の時期かなと思っています。学生団体(サークル・部活)で活動して自己成長する道もあるんだよとか、それ以外にもNPOって実は身近な存在でもあって(学生でも)活動できるんだよとか、大学の勉強に打ち込まなくても、あわなかったら他のことを勉強してスキルを上げる手もあるんだよとか。そういった選択肢を持って、そこに一緒に飛び込む仲間をいかに増やせるかっていうのが、すごい鍵になるんじゃないかなと思いますね。

(写真:ニュースネットの記者がオンラインでインタビューした 2020年6月21日)

「コロナ禍があったからこそ今がある」と将来言いたい

<聞き手>このコロナ禍の中を生きる神大生に対して、どんな思いを持っていますか?
<吉田さん>みんなで乗り越えていきたいです。自分もこのオンデマンドの体制で正規の授業料をはらっているのに不満があります。そういう風に感じてない人は少ない。でも、文句を言うんじゃなくて、前を向いて。この状況を楽しみながら、「コロナ禍があったからこそ今があるね」とかいろんな興味をもつようになったね、とか(将来)言えるようになりたい。「一緒に支えあいながら過ごせたらいいね」と言いあいたい。ものは捉え方だな、ということですね。

<文:山本慶典、大垣 萌、塚本 光>

【アイセック】
NPO法人 アイセック・ジャパン(AIESEC in Japan)。海外インターンシップ事業の運営をし、世界126の国と地域に支部を持つ世界最大の学生NPO団体の日本支部。世界中にいる70000人以上の仲間と、平和で人々の可能性が最大限発揮された社会を目指して活動している。神戸大のほかにも国内25大学に委員会がある。

【吉田涼一 よしだ・りょういち】
1999年8月生まれ。大阪府立北野高校卒。2018年神戸大文学部入学。今年の5月末にアイセックを引退。現在は「NPO法人ユナイテッドアース」、「未来を創る100人会議」で活動。「ユナイテッドアース」では7月豪雨支援の学生リーダーに任命され、活動している。「未来を創る100人会議」では副代表も務めている。

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