華やかさと荘厳さの共演 吹奏楽部、第41回定期演奏会  

神戸大応援団総部吹奏楽部による第41回定期演奏会が12月13日、尼崎市総合文化センター・アルカイックホールで行われた。木管楽器、金管楽器、打楽器の三部からなる迫力ある演奏がなされた。【12月23日 神戸大NEWS NET=UNN】

 舞台は3部構成。第1ステージは副指揮者・村井昴介さん(発達・2年)の指揮で、R.ジェイガーの「シンフォニア・ノビリッシマ」から始まった。シンフォニア(交響曲の前身)の名を持つように、華やかさと荘厳さを備えたこの曲の後には、和田薫作曲「吹奏楽のための土俗的舞踊」、P.スパーク作曲「カーレイドスコープ~ブルックの歌による5つの変奏曲~」の2曲が、正指揮者・手嶋宏介さん(工・3年)の指揮で演奏された。?

 第2ステージは「素晴らしきアニメソングの世界~The Brilliant World of ANIME Music~」と題されたポップな舞台が展開された。このステージでは、吹奏楽を知らない人でも楽しめるように、と普段とは違う趣向が凝らされた。第1部の正装とは異なり、指揮者・奏者ともにカラフルなTシャツを身にまとい、アニメソングメドレーが始まる。宇宙戦艦ヤマトやガッチャマン、サリーちゃんといった有名なアニメのキャラクターに扮した部員や応援団員のパフォーマンスとともに、5分ほどの間に20曲ものアニメソングを披露。その後も指揮者自身がルパン3世やラピュタの中のキャラクターの衣装を着て指揮を行うなど、観客を楽しませる演出がなされた。?

Photo 最後の舞台となる第3ステージでは、第2ステージの雰囲気とは変わって、静粛な雰囲気に。手嶋さんが「昔からこの曲が好きで、正指揮者になったら絶対やりたいと思っていた」と話す、P.グレインジャー作曲「リンカーンシャーの花束」が演奏された。この曲はイングランド、リーンカシャー地方の民謡を主題としている。作曲者が主題を西洋音楽の形式に当てはめるのではなく、継承されているそのままの形で表現しているため、不規則なリズムや変拍子などの細かい技術が要求される。この曲について、「曲のきれいさと、独特の雰囲気に魅かれた。実際演奏してみるととても難しく、表現・技術ともに苦労したことも多かった」と手嶋さんは語った。?

 「このコンサートには思い入れが強かった」(手嶋さん)。吹奏楽部では、1年生の後期に副指揮者が決定され、2年生のサマーコンサートで初舞台を踏む。自分の楽器を演奏しつつ指揮の勉強も行う副指揮者とは異なり、正指揮者はすべての曲で指揮に専念する。手嶋さんも副指揮者のときには打楽器を演奏しながらの指揮だった。今回、正指揮者となり、指揮に専念することでコンサートへの思い入れはより強くなった。手嶋さんは「副指揮者の時より、拍手が嬉しく感じた」と笑った。吹奏楽部は演奏会だけでなくスポーツの試合の応援も行う。演奏会の曲と応援で演奏する曲は、曲目も演奏形態も異なる。「(両立は難しいが)よくやったと思う」と指揮者は団員たちをねぎらった。?

   公演に訪れた波戸信善さん(吹奏楽部OB・第39代部長)は、「第2部の演出が素晴らしかった。また、指揮者の個性が出ていて、細部の作りこみがよかった」と後輩らの演奏に目を細めた。

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