新しい防災教育を提案 都市安全研究センター主催のシンポ

神戸大都市安全研究センター主催のシンポジウム「阪神大震災をふまえた防災教育の未来」が、1月10日、神戸市教育会館で開催された。関学の室崎益輝教授による基調講演をはじめ、実際の防災教育についての報告や防災教育の未来を見据えたパネルセッションが行われた。【1月15日 神戸大NEWS NET=UNN】

 阪神・淡路大震災の教訓をどのように次世代に継承していくか。このシンポジウムでは、大学、小・中学校、教育委員会、メディアの関係者が集まり、それぞれの視点から見た防災教育の現状と今後のあり方を考えることが趣旨となっている。

 神戸大都市安全研究センター長の有木康雄教授は、「神戸大学の震災教育とオープンコースウェア導入への取組」と題された報告を行った。神戸大では「災害文化」の形成と継承を目標に、震災教育システムの開発と普及を目指して、平成17年度から「現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム」を推進している。「災害文化」とは、「歴史的に災害と闘ってきた人間の知恵と努力に学び、災害時にあっては相互に助け合い、平常時にあっては現代生活に潜むさまざまな危険を認識し、安全で人間的な社会を協力して築こうとする意識」であると、有木教授は定義した。また、平成19年度から教養原論「阪神・淡路大震災」を開講し、震災当時の様子や震災から学んだ教訓を伝えている。「昨年まで20人ほどだった受講者が、今年は300人程度の申し込みがあり、関心が高まってきている」と有木教授は話す。
 さらに、震災教育を広く一般に公開し震災文化を普及させるために、講義とその関連情報をインターネットで無償公開する「オープンコースウェア」を導入している。
 今回のシンポジウムを通して有木教授は、「知識だけを押し付ける教育ではなく、教育を受ける側とする側の双方が意識や共感力を持って震災教育に向き合うこと」の重要性を強調した。

Photo 関学の室崎益輝教授は、「防災教育の課題と未来-災害文化の形成に向けて-」と題して基調講演を行った。室崎教授は、防災の基本は人にあるという考えのもと、減災力(被害を予見し、予防し、制御し、緩和し、回復する力)を獲得することが防災につながると指摘した。減災力をつけるためには、防災の知恵だけでなく技能、それ以上にこころやつながりが重要になる。これは学校で知識を学ぶだけでは限界があり、家庭や地域と密着し、大人と子供が一体になった新しい防災教育が必要であると提案した。
 自分でできることをどうやっていくのか。室崎教授は「災害文化は、自分の体で感じ、調べて、試して、考えて、防災教育を社会や生活の中に定着させなければならない」と新たな防災教育のあり方を述べた。(記者=有田朋央)

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